2023-01-18

EU:ヘビーメタルのハンドサインは商標として機能するのか? - Knijff Trademark Attorneys

 人差し指と薬指を立てるジェスチャーはよく知られるハンドサインで、長年にわたり様々な文化で様々な意味をもってきた。ウィキペディアによると、ヨガでは体の若返りを意味するそうで、インドではライオンを象徴し、仏像でも見られる。しかし、ブラジルやメキシコなど一部の国では、侮辱的な表現として使われている。

 現代で最もよく知られているのは、ヘビーメタルのコンサートで見られるハンドサインであろう。ロックバンドのKISSは、米国で突き出した手の中指と薬指を折りたたんで作るハンドサインの商標登録を試みたが、失敗に終わっている。

 最近、このハンドサインをドイツの会社が金融や建設業を指定したサービスの商標としてEUIPO(欧州連合知的財産庁)に出願した。この出願は、関連する公衆がこのハンドサインを「I love you」の意味を持つ表情(emotion)と見なすと判断され登録を拒絶された。表情であるため商標として機能せず、商品・サービスを区別するものとして使用することはできない。

 出願人のロゴは、通常の頭のピクトグラムで表す表情でもジェスチャーでもなく、意味が異なるか全く意味を持たず、「I love you」として一般的に知られているわけではないと、出願人は主張した。

 これに対し、EUIPOは、この画像が表情というよりは絵文字であることは認めたものの、あまりにも平凡であり、商標として認識されるために必要な識別力を欠いているという当初の見解を堅持した。

出願人は上訴している。(続く…)

本文は こちら (Can the heavy metal hand gesture be a trademark?)