2023-02-17

韓国:部分拒絶制度および再審査請求制度が2月4日より施行

 部分拒絶制度および再審査請求制度の導入を主な骨子とする韓国改正商標法が、2023年2月4日から施行されている。両制度とも、これまでの商標出願拒絶対応の実務を大きく変える変化であり、重要ポイントを熟知しておく必要がある。

1. 部分拒絶制度の導入
 旧法下では、商標出願の一部の指定商品にのみ拒絶理由がある場合でも、それが解消されなければ商標出願全体が拒絶されていたが、改正法下では、指定商品のうち一部のみ拒絶理由がある場合、商品の削除など、別途の措置を取らなくても拒絶理由のない商品は出願公告され登録を受けることができるようになった。併せて、拒絶決定された商品全体を対象にしてこそ不服審判請求が可能だったのを改善し、拒絶決定された一部商品に対してのみ審判請求が可能になり、請求後でも一部を取り下げられるようにして権利確保の機会を拡大し、出願人の便宜性を向上させた。これはアメリカ、中国、ヨーロッパなどでは既に施行中の制度であり、同規定は改正法施行日である2023年2月4日以降の出願から適用され、分割/変更出願は原出願日を基準に、マドリッド国際出願は国際登録日/事後指定日が2023年2月4日以降の場合に適用される。

2. 再審査請求制度の導入
 これまでは商標登録拒絶決定に対する不服申立手段は拒絶決定不服審判のみであったが、改正法では拒絶決定された案件が商品補正などによって簡単に拒絶理由を解消できる場合には、出願人が不服審判を請求せずに当該補正書とともに「再審査請求」を行うことで拒絶を解消できるよう、再審査請求制度が新たに導入された。このような再審査請求は拒絶決定に対する不服申立請求期間内(拒絶決定通知を受けた日から3ヶ月以内)に可能であり、再審査請求をした場合には拒絶決定が取り消されたものとみなされる。ただし、これらの再審査請求は1回に限り、すでに拒絶決定不服審判を請求した場合には再審査請求を行うことはできない。なお、再審査請求は、原出願時の審査官が審査し、再審査請求の取下げは認められない。 同規定も2023年2月4日以降の出願から適用され、再審査はマドリッド国際登録商標には適用されない点を留意する必要がある。

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