日本国特許庁とジェトロは3月3日、中国改正商標法の最新事情に関するセミナーを開催した。
中国国家知識産権局(CNIPA)が1月13日に公表した「中華人民共和国商標法改正草案(意見募集稿)」に関して、北京市永新智財律師事務所シニアパートナー・弁護士の沈春湘氏が法改正の背景や条文分析について説明した。
意見募集稿は現行法を多岐にわたって変更しており、セミナーで、沈氏は商標を「使用中」「使用計画段階」「防護標章」に分類するなどして細心の管理を行うことに加え、悪意の商標登録や商標権侵害に対しては、近年の商標民事訴訟の件数増加の状況や高額賠償事例を踏まえ、民事訴訟による損害賠償請求など積極的に対処することが重要と述べ、中でも日本企業が注目すべき改正点を以下のとおり紹介した。
* 意見募集稿第21条に、同一の商品または役務での同一商標の重複登録を禁止する規定を追加
* 意見募集稿第22条で、悪意の商標出願に該当する具体的な状況を明確化
* 意見募集稿第45条~第47条で、悪意のある商標登録について、自分の名義下に移転することを請求可能に
* 意見募集稿第61条に、商標登録後5年ごとに使用状況の説明を必要とする規定を追加
* 意見募集稿第83条で、悪意による商標登録が他人に損失を与えた場合の民事賠償責任を明確化