2023-03-29

EU:「雄鶏」商標の争い - Knijff Trademark Attorneys

動物を表す商標をめぐる争いは面白い。動物のロゴは非常に人気があり、プーマ、ランボルギーニ、レッドブルなどはそんな例だ。そのため、動物をモチーフにしたロゴをめぐる争いはよく起こる。このような争いは、商標当局が動物のロゴの特徴を比較する際の説明は詳細で読み応えがあり、中には興味深いものもある(異議決定書はつまらないものでもない)。

今回、問題となった動物は「にわとり」だ。一方は、もっとも有名になった「にわとり」のロゴと思われるフランスサッカーを統括するフランスサッカー連盟の「にわとり」だ。フランス革命の旗に描かれた「ガリアの雄鶏(The Coq Gaulois)」は、今でもフランスのシンボルとして頻繁に使用されている。他方は、スペイン人女性によってEU商標として出願された「雄鶏」である。

これらの商標について、EUIPO(欧州連合知的財産庁)が解説している。フランスサッカー連盟の「雄鶏」は、文字「FFF」の上で右を向いており、赤い鶏冠と肉垂を持つ図案化された白い雄鶏が金色の縁取りのある青色の六角形上に描かれている(下図左)。
そして、もう1つのロゴは黒とグレーの雄鶏が左を向いている(下図右)。

両ロゴとも雄鶏が描かれているという点では似ているが、それだけで類似とするには不十分だ。雄鶏が見ている方向などには明らかな違いがあるが、横顔は同じだ。「雄鶏」の図案も似ていて、同じような太さと形状の羽が同じ数だけカーブしている。どちらのロゴも、鶏冠と肉垂は体の他の部分と異なる色で表示されており、どちらの雄鶏にも脚はない。結論として、両ロゴの間には、中程度の類似性はあるとして、外観的な類似性が認められることになった。

EUIPOは、これらすべてを評価した上で、さらに、これらの商標が同一の商品に使用されるという事実を考慮し、混同の虞があるという結論に達した。したがって、フランスサッカー連盟は異議申立に成功することとなった。

本文は こちら (Battling roosters)