2023-03-09

EU:喧嘩を売っている?商標出願 - Knijff Trademark Attorneys

 商標の出願には、喧嘩を売っているように思えるものがある。例えば、最近、イタリアの会社が、家具などを含む商品に商標「MEGA」を出願した。スウェーデン発祥の世界最大の家具量販店イケア(IKEA)の店舗に足を踏み入れたことがない人でも、「MEGA」の青と黄色を背景とするロゴがイケアのロゴに酷似していることに気づかない人はいないだろう。イタリアの会社は本当に気づいていなかったのだろうか。それとも、イケアと似ていることから利益を得ようとする意図的な企みだったのだろうか。

 イケアが、「混同の虞があり、著名な商標からの利益を得ようとし、イケアの商標を希釈化する」として異議申立てを行ったのは当然のことだった。一般的に商標の要部は文字で、「IKEA」と「MEGA」という文字自体は類似するものではないため、両商標は類似していないと主張することはできる。しかし、この主張はグラフィック要素も商標の主要な要素であることを指摘することによって反論可能だ。グラフィック要素が実質的に同一である以上、類似性があるといえる。いずれにせよ、消費者はこの2つの商標の間に関連性を見出すことは十分にあり得る。

 もし、EUIPO(欧州連合知的財産庁)がこの理由に同意しないとしても、イケアは「IKEA」の文字がないグラフィック要素も権利化していることは安心材料だろう。

本文は こちら (Asking for trouble?)