2023-05-09

ベトナム:アルコール飲料商標の不使用取消リスクには商標の再出願で対応 - Ageless IP Attorneys & Consultants

ベトナムの人口は約1億人で、2021年には4,159千キロリットルのアルコール飲料を消費し、世界第9位のアルコール消費国となった。この消費量の多さは、飲料事業者に大きな利益をもたらしている(最大のビール会社は2022年に35兆3,250億ドン(約2050億円)を超える売上を上げた)。

しかし、ブランド間の激しい競争は、熾烈なマーケティング合戦に発展しており、その結果、商標を保護することが極めて重要な優先事項となっている。

ここでは、ベトナムにおいて、アルコール飲料を指定した商標の不使用取消の可能性を防ぐための解決策を解説する。

アルコール飲料を指定する商標登録のリスク
ベトナム知的財産法の規定によると、商標登録の存続期間は5年間連続して正当な理由なく権利者またはライセンシーによって使用されていない場合、第三者からの請求により終了する。ただし、取消請求の3ヶ月以上前に商標の使用が開始または再開された場合は除く。

実際、多くのアルコール飲料メーカーが、商標登録後すぐにベトナムでビジネスを展開できていないのは、主に以下の2つの問題があるからだ;

* 第一に、ベトナム政府はアルコールの広告・販売について厳しい規制を設けており、現在、アルコール飲料の取引は条件付きで政府から制限を受けている。ベトナム市場へのアルコールの輸入は、複雑で厳格な手続きが必要で数年かかることもある時間のかかる作業となっている。
* 第二に、商標権者は独自の困難を抱えており、ベトナム市場で製品を発売するのに適した条件を持っていない。

上記のようなことに直面すると、商標権者が第三者からの請求によりベトナムにおける商標権が取消される可能性が高くなる。

結果
ベトナムのアルコール飲料市場は競争が激しく、国産アルコールブランドと輸入アルコールブランドの両方が市場シェアを争っている。また、近年の消費者はブランド品への嗜好性を示しているため、主観的になって上記のようなリスクを無視すると、商標権者に以下のような結果がもたらされる可能性が出てくる:
o 他人に商標を奪われる
o 苦情や紛争の解決に多くの時間が必要になる
o ビジネスプランに影響がでる

解決策
正当な理由なく、ベトナムにおける商標の十分な使用証拠を提出できない場合、商標登録日またはベトナムでの最後の使用から4年以上経過したら、商標権者は商標を再出願することが推奨される。

本文は こちら (Re-filing trademark in Vietnam – A Solution that can help businesses avoid the risk of non-use termination against alcoholic beverages trademark)