2023-05-29

台湾:「商標法の一部改正案」で早期審査制度を導入 - SMD Country Index

台湾商標法の一部改正案が2023年5月9日、立法院の第3読会で可決された。今回の改正では、商標権者に有利となるいくつかの規定が導入されている。

主な改正は以下の通り;
商標登録出願の早期審査制度の導入
 商標法第19条第8項では、商標登録出願において、権利の早期取得が必要な場合(例:侵害訴訟がある場合や製品の発売が開始されている場合など)に有効な早期審査制度を導入した。出願人は、早期審査請求の理由を付けて申請し、6,000台湾ドル(約27,500円)の手数料を支払うと審査期間が2ヶ月に短縮される。

商標代理人管理制度の導入
 商標代理人管理制度の導入により、商標に関する専門的な知識を有し、登録および研修を修了した者が商標代理人として商標に関する業務を行うものとする。商標代理業務を行うには登録しなければならないほか、商標代理人名簿の設置を行う権限を商標所管官庁に与えると規定している。

商標権侵害を構成しない名目的フェア・ユースとなる状況の明記
 「自己の商品またはサービスの目的を示すために、誠実で商取引の慣行に適合する方法で他人の商標を使用すること」は、「名目的フェア・ユース(nominative fair use)」に該当し、侵害にはならない(36条1項)。
 例えば、携帯電話修理店が提供するサービスの広告看板に、携帯電話各社の商標を表示する行為は商標権侵害には該当しない。

税関における権利侵害認定手続きの簡素化
 改正商標法第75条第2項により、商標権者の権利を侵害する可能性が高いと判断される物品がある場合、商標権者が税関で侵害品を確認する必要がなくなった。商標権者が台湾税関で「商標権のアドバイス保護(advice protection of trademark right)」の登録を済ませていれば、侵害の疑いがある物品が発見された場合、商標権者は税関のオンラインプラットフォームで物品の写真に基づいて侵害の有無を判断し、必要な場合のみ、税関に赴いて権利侵害認定を行うことができるように修正した。 

その他の改正
 また、台湾特許庁は、台湾商標法の一部改正案を提出し、異議申立、無効審判の審理及び救済手続、商標権の消尽、機能性を有する商標の登録要件等に関する規定などを提案した。
(Source: www.tipo.gov)

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