ジェトロによると、6月13日に行われたジェトロによる聞き取り調査で、ケニアの模倣品対策機関（ACA）が輸入品に関する知的財産権登録（Intellectual Property Rights Recordation）を義務付ける制度の運用を開始したことが明らかになった。
ACAは、2023年1月1日から知的財産権の登録を義務化した一方で、当局の事務処理が追い付かず運用を延期していた。現在は、登録情報を模倣品の取り締まりに利用しており、実際に同制度の登録情報に基づいて靴の模倣品を差し止めた事例が1件発生したという。
しかし、登録システムのAIMSは故障と復旧を繰り返しており、人員不足や手続きの遅れもあって当局での登録が追い付いていない。聞き取り時点での登録件数は280件、登録申請されたものの登録待ちになっている件数は1,115件にのぼる。登録の遅れについては各国から苦情が寄せられているという。ACAは登録申請を処理しきれていないため、知的財産権の登録が義務付けられている真正品が未登録の状態でケニアに輸入されても、権利者や輸入者に対して差し止めなどのペナルティは科されていない。