模倣品や海賊版は、オンラインとオフラインの両チャネルにおいて、ブランドオーナーにとって絶え間ない課題である。国際商標協会(INTA)が5月に発表した模倣品・海賊版対策の分析レポートは、問題の規模や対策に必要なリソースを明らかにする貴重な洞察と模倣品・海賊版対策に関する統計を提供している。
INTAが5月に発表した「模倣品対策の分析レポート(Anti-counterfeiting Benchmarking Report)」は、世界のINTA企業会員を対象とした調査に基づき、ブランドオーナーが模倣品の規模や影響、新型コロナウイルス・パンデミックがオンライン上の海賊版や模倣品に与える影響、資源・予算・知識共有の観点からこの問題に取り組むために必要なこと、といった疑問をどのように捉えているかについての貴重な洞察を含んでいる。
模倣品統計から、急速に展開する脅威が明らかに
レポートでは、世界的に企業が直面している脅威の大きさが明らかにされており、大多数の回答者が、模倣品が自社にとってより大きな問題になっていると答えている。模倣品関連の問題は、パンデミックの影響だけでなく、景気後退やオンラインマーケットプレイス、消費者への直接販売が増加した結果としても大きくなっている。
回答者の大半は、今後1~3年のうちに偽造品や類似品・模倣品が大きな脅威になると予想しており、詐欺、グレーマーケットの商品/並行輸入品、不正取引、製品改ざん、サプライヤー問題への取り組みも優先事項の上位に挙げている。
しかし、こうしたブランドオーナーの多くは、スタッフや予算という点で非常に限られたリソースの中で問題に対応しており、模倣品対策や対策技術への投資が少なすぎるという意見が大半を占めている。
複雑な課題に対処するためにブランドオーナーができること
ブランドオーナーは、模倣行為が確認された場合、模倣行為に対抗するために様々な手段を用いることができるが、特に重要なのは、模倣行為を特定し防止するための戦略と方法だ。
これには以下の例が含まれる;
* 主要なブランド名や製品名を商標として登録し、革新的なデザインの特徴を意匠として登録することで、商標権や意匠権の不正使用(商標登録された商品の製造、流通、販売など)に対して法的救済を求めることができる
* 従業員、ビジネスパートナー、顧客を教育することにより、自社のビジネスにおける問題意識を高める
* オンライン市場を積極的に取り締まる(調査結果の記録、報告、慎重な分析を含む)
* 模倣品対策活動をインスタグラム、TikTok、フェイスブックなどのソーシャルメディアサイトにも拡大する
* 国境管理機関(税関)や取引基準局などの法執行機関と緊密に連携する
* 必要な場合には法的措置をとる
模倣品対策戦略を策定・実施する際には、ブランドオーナーが模倣品撲滅のために直面する課題を理解しているパートナーと協力することが重要だ。依頼するプロバイダーが明確で実績のある戦略を持ち、主要な法域における規則と要件、現在の脅威と一般的な密売経路、執行の各段階に関わるコストとプロセスに関する専門知識を備えていることを確認することが重要だ。適切な知的財産権プロバイダーは、模倣品対策をどこから始めどこで終わらせるべきかを経験から理解している。そのため、効果的で測定可能な対策戦略の構築に向けた最初の一歩、あるいは次の一歩を踏み出す際には、その知識を指針として活用し、支援してもらうことができる。
本文は こちら (Counterfeiting statistics reveal brand owner battle against fake goods)