バンドとしての「VOLUMIA!」
「VOLUMIA!」は、1992年から2002年にかけて活動したオランダのポップ・バンドで、グループの顔は、ボーカルでピアニストのザンダー・デ・バイソネイ(Xander De Buisonjé)だった。
カバー・バンドとしてスタートしたVOLUMIA!は、その後、自作曲で大ヒットを記録し、CDは累計100万枚近く売れたが、バンドは2002年に解散した。
商標としての「VOLUMIA」
長い間、「VOLUMIA」の商標権はMusic Creations Publishing B.V.が所有していた。商工会議所の記録によると、VOLUMIA!の元マネージャー、ニースケンス(Nieskens)はこの会社の取締役でもある。
近年、Music Creations PublishingとBizon Musical Creations B.V.(バイソネイの会社)の両方が商標を出願した。しかし、記録上の最も古い権利は、ニースケンスが取締役を務める私的有限会社が保有していた。
商標は使用されているか?
商標の使用要件により、商標は登録から5年以内に使用されなければならない。この5年の期間満了後、商標が未使用のままであったり、連続して5年間使用されなかったりした場合、第三者は商標権の取消を請求するができる。まさに、このことが「VOLUMIA」商標に起こった。
取消
6月25日、ベネルクス知的財産庁は、ザンダー・デ・バイソネイの会社から提出された商標の取消請求に基づき、Music Creations Publishingが保有していた「VOLUMIA」、「Volumia!」、「VOLUMIA(図下)」の3件のベネルクス登録商標について、これらの商標が過去5年間に十分な商業的利用が確認できないとの理由で取消を決定した。
Music Creations Publishingは、さまざまな音楽配信プラットフォームでVOLUMIA!の音楽を聴くことができ、ウェブサイト(www.volumia.com)もこの期間に運営されていたことから、商標は使用されていたと主張した。
ベネルクス知的財産庁は、VOLUMIA!というバンドが作った音楽が今でも入手可能であるという事実は、ポップスやパーティーバンドに関するサービスが存在する証拠にはならないとして、Music Creations Publishingの主張を退けた。同庁によると、近年、「VOLUMIA」商標の下で公演が行われたり、音楽が流布・発売されたりしたことはなく、流通は商標権者によるものではなく、様々な音楽プラットフォームによるものであった。
よって、ベネルクスの3つの商標の取消が認められた。ベネルクス司法裁判所に上訴することは可能だが、ザンダー・デ・バイソネイは突然、ベネルクスで最も古い商標権の所有者になったかのようだ。再結成の時だ?!