2023-08-30

EU:アヴリル・ラヴィーンの商標保護への姿勢が浮き彫り - Knijff Trademark Attorneys

 カナダ出身のシンガーソングライター、アヴリル・ラヴィーンは、「Complicated」や「Sk8er Boi」といったヒット曲だけでなく、人目を引くヘアスタイルでも知られている。アヴリル・ラヴィーンのヘアスタイルは、過酸化水素を使った金髪からピンクやネオングリーンのロングロックまで様々で、レインボーヘアもあるし、ルージュを細部に使ったこともある。

 ルージュ(Rouge)?最近、アヴリル・ラヴィーンが欧州連合知的財産庁(EUIPO)で、ドイツのII. Almeda社の出願商標「LAVIGNE ROUX」に対して申立てた異議が認められた理由はこのヘアカラーにあったのだろうか? 
いいえ、異議申立てが認められたのには、アヴリル・ラヴィーンの商標保護に対する妥協しない姿勢があったのだ。

 アヴリル・ラヴィーンの商標「AVRIL LAVIGNE」と「LAVIGNE ROUX」商標の類似性を判断したEUIPOは、両商標に共通する要素「LAVIGNE」は、関連する公衆にフランスの姓として認識され、関連商品(主に衣料品と化粧品)との関連性はないため、識別力があると指摘した。 

 EUIPOによれば、当該商標に他の要素があることはあまり関係がなく、「LAVIGNE」が、両商標において非常に特徴的な要素であるとして、アヴリル・ラヴィーンの異議申立が成功したのだ。

 アヴリル・ラヴィーンは、自分の商標が「評判が高い」として、通常の範囲を超えて広く保護を受けるべきであると主張したが認められなかった。EUIPOは次のように述べている: 提出された証拠は、アヴリル・ラヴィーンが売れっ子のシンガーソングライターであることを示しているが、関連する公衆が『AVRIL LAVIGNE』という用語を、保護を求める商品すべてを識別するための強化された能力を有する商標として認識していることを明確に証明することはできない。

 アヴリル・ラヴィーンの商標が「評判が高い」という主張が成功しなかったため、「LAVIGNE ROUX」商標は「皮革製の箱」や「履物用中敷き」のような特定の商品について保護を受けることになるが、それはおそらくこの商標出願人が求めていたものではないのではないだろうか。

本文は こちら (Winning a trademark opposition, not “that complicated” for Avril Lavigne)