米国特許商標庁(USPTO)は、審査中及び登録後に商標出願人及び権利者の居住地に関する情報を調査する際の手順を明確にした審査ガイドを発行した。
USPTOはランハム法により、出願人の居住地に関する情報を求めることが義務付けられている。これは、出願人が米国に居住する実在の人物または法人(企業など)であること、または米国で認可された代理人(「U.S. Counsel Rule」に基づき義務付けられている)であることを確認するためのものだ。商標代理人は、商標の存続期間中に何度も変更される可能性があり、法定住所(domicile address)は、商標権者が現在の代理人を変更または解任した後に、米国で資格のある弁護士が新たに必要かどうかを判断するのに役立っている。
さらに、居住地住所の要件は、ここ数年、主に海外を発信源とする商標出願詐欺がかつてないほど増加していることに対抗するUSPTOの取り組みにとって極めて重要だ。USPTOの商標執行チーム(trademark enforcement teams)は、外国出願人が出願書類に偽りの米国住所を使用したり、米国弁護士の資格を乗っ取り、弁護士が知らないうちに、あるいは弁護士の許可なく住所を使用したりする事例を何千件も発見した。2019年以降、U.S. Counsel Ruleの違反で258件の最終的な制裁命令を出し、18,789件の無効な出願を取消し、3,297件の登録に制裁を科した。
審査ガイドは、この要件を詳細に説明し、出願人と権利者がこの要件に対応する方法を概説している。