KRAFTWERK(クラフトワーク)は、誰もが知っている(?)ドイツの電子音楽グループで、テクノポップを開拓した先駆者として知られている。
ラルフ・ヒュッターは1969年にフローリアン・シュナイダーとともにKRAFTWERKを結成した。現在、唯一残っているオリジナル・メンバーとして、ヒュッターは「KRAFTWERK(ドイツ語で「発電所」の意味)」ブランドを守るために、香港の企業によるタバコと電子タバコを指定した「KRAFTWERK」商標の欧州連合知的財産庁(EUIPO)への出願に対して異議を申し立てることを決めたようだ。
ヒュッターはタバコ製品の「KRAFTWERK」商標を所有していないため、この異議申立を成功させるためには、ヒュッターや彼の商標弁護士は創造的な方法を取る必要があった。
そこでヒュッターは、著名商標は「通常の」商標よりも広い保護範囲を享受するとして、「KRAFTWERK」の著名性を主張することにした。また、「人間解体(The Man Machine)」KRAFTWERKがサイクリングをよくすることや、KRAFTWERKが自転車メーカーのキャニオンと協力関係を結んでいることから、KRAFTWERKは健康的なライフスタイルを象徴していると主張した。従って、タバコ製品の商標として好ましくないことは明らかであると主張した。
しかしながら、EUIPOはこの創造的な主張を支持しなかった。EUIPOによれば、この「健康的なライフスタイル」は、異議申立人が自分のバンドに抱いている、あるいは外部に伝えたいイメージかもしれないが、KRAFTWERKという音楽グループから連想するイメージではない。
KRAFTWERKは、革新的な電子音楽と、ロボットが演奏しているように見える一風変わったステージングで知られているが、健康的なライフスタイル……いや、直接的には違う……かな。
EUIPO異議部は、一般公衆がこれらの商標を関連付ける虞は低いと結論づけ、異議を退けた。