2023-10-03

豪州:商標異議申立における期限延長理由の解釈変更 - IP Australia

異議申立手続における証拠提出期限の延長(EOT)の「迅速にかつ注意を払った行動であったにもかかわらず」という理由についての商標局の解釈が拡大された。

 1995年商標規則5.15(2)(a)、9.18(2)(a)、17A.34K(2)(a)および17A.48T(2)(a)は、証拠提出期限を遵守するためにあらゆる合理的な努力を払い、迅速にかつ注意を払った行動であったにもかかわらず、期限に間に合わなかったことを証明できる当事者にEOTの根拠を提供する。これまで商標局はこの規定を非常に厳格に解釈してきた。

 今回の解釈変更は、この規定が厳格であり、当事者に合理性、迅速性、注意を払った行動を証明することを要求している一方で、完全性の基準を課しているわけではなく、証拠準備において時折発生する特定の状況における救済を認めていることを認識するためのもので、当事者に求められるのは、合理的な計画が順調に実行され、説明のつかない大幅な遅れがなかったことを証明できることである。当事者側の単純なミスにより期限内に証拠を提出できない場合でも延長が可能な場合もある。 

 これにより、EOTを求める当事者の証拠開示の負担が大幅に軽減され、従来は認められなかったような特定の状況でもEOTが認められるようになるが期待される。これには以下が含まれる:
* 単純な間違い
* フォローアップ日付の記録ミス
* ページの欠落
* 署名のない宣誓書
* 証拠提出時の技術的ミス
* その他、証拠準備のための合理的な計画が迅速かつ注意を払った行動であるのに、提出漏れの原因となる偽りではない誤り

 これまでのように、当事者は誤りを発見後、実務上可能な限り速やかにEOTを求めなければならない。
詳細は、商標実務及び手続マニュアル(Manual of Practice and Procedure ー こちら)を参照のこと。

変更された理由
 2013年改正知的財産法(Intellectual Property Legislation Amendment (Raising the Bar) Regulation 2013 (No. 1) (Cth) )の制定により、商標登録官が証拠を提出するための延長期間(EOT)を許可する条件を著しく狭めた。これらの改正は、長引く異議申立て手続きを緩和するという意図された目的を果たしたが、その後のEOTの実務において、証拠を遅れて提出するためのEOTを取得することが、本当の誤りの場合でもかなり難しくなった。

利害関係者との協議および類似の規定に関する特許庁の実務を鑑みて、商標庁は実務指針を発行し、商標実務手続マニュアルを更新した。
この解釈は2023年7月31日から有効となった。

本文は こちら (Interpretation of the ‘prompt and diligent’ ground for extensions of time in trade marks oppositions)