競合する商標が登録簿に見つかったとしても、選択したブランド名の商標登録が必ずしも妨げられるとは限らない。使用調査が法的・商業的リスクの評価にどのように役立つかをノエ・ヒンメルライヒ(Noé Himmelreich)が説明する。
商標の登録可能性調査で、選択したブランド名と抵触する可能性のある先行する商標の存在が確認されたとしても、必ずしもブランド名の商標登録や使用が妨げられるとは限らない。既存の商標の登録が5年以上で、もし使用されていないようであれば、商標の不使用を理由に商標登録の取消を求めることができる。
商標の登録可能性調査で抵触が判明した場合の対処法
商標の登録可能性調査では、一般的に商標として登録したいブランド名やロゴの登録可能性と使用可能性を調査する。この調査には、同一または類似する商品・サービスにおいて先行する同一または類似する登録商標を特定するための調査が含まれており、もし市場で混同を引き起こす虞があれば、商標の登録や使用に潜在的なリスクをもたらすことになる。
もし選択した商標が先に登録された商標と同一または類似しているとしても、登録商標が必ずしも直接的な障害となるとは限らない。商標法は、除斥期間である5年(日本や中国など一部の法域では3年)を過ぎても商標が適切に使用されていない場合、商標権を取り消すことができると規定している。
但し、商標権が自動的に取り消されるわけではないことに注意が必要だ。誰かが商標の不使用取消しを請求しなければ、その商標は登録されたままの状態となる。言い換えれば、商標が正式に取り消され、登録簿から削除されるためには、商標庁に商標取消を正式に請求する必要がある。
取消請求をせずにブランドを立ち上げた場合、商標権者がそのブランド名(商標)の使用に対してクレームすることはできない。もし商標権者が再びその登録商標を使用することになった場合、その商標の独占権はどちらにもないという状況に陥る可能性がある。不使用が成立する期間中に発売された商品の商標であるためだが、その後に商標権者が登録商標の使用を開始したとしても、商標権者は使用されている商標にクレームすることはできない。商標権者は商標の使用を容認しなければならず、逆もまたしかりだ。
したがって、ブランドの独占性を確保し、除斥期間を過ぎて使用されていない商標の権利者が不使用商標を復活させるのを防ぐためには、不使用商標に対して取消請求を提起しなければならない。但し、不使用商標の権利者は、取消請求手続中に使用証拠を提出すれば取消請求に対抗する機会を得ることができる。
商標の使用調査を行う理由
Novagraafの使用調査は、登録された商標が使用されているかどうかを明らかにするもので、商標が使用されているかどうか(登録した形態で使用されているかどうか)を確認するために幅広い情報源をチェックするだけでなく、専門調査員が匿名で商標権者に連絡を取り、確実性を高めている。
使用確認の調査結果に基づき、Novagrrafの専門調査チームは、取消請求が成功する可能性についてアドバイスする。例えば、商標がもはや使用されていないこと、または登録とは異なる形態で使用されていることが調査によって判明すれば、不使用取消しを請求するための強力な根拠となるかもしれない。
このように、特定の商標を登録するかどうかを決定する際や、先行して登録された商標の権利者と競合する場合に、使用を検証することで極めて重要な洞察が提供される。その結果、自らの立場が明らかになり直面するリスクを正確に判断するのに役立てることができる。
本文は こちら (From trademark availability search to registration: When to conduct trademark use searches)