2023-11-15

EU:ロゴの要素をぼかしたパッケージの商標出願は? ー Knijff Trademark ttorneys

 現在、文字、ロゴ、形状、色彩、音、動き、位置など、多くの種類の要素が商標として保護されている。しかし、すべての種類の商標が商標当局から温かく迎えられるわけではない。特徴的な形状のパッケージが商標として認められるには一定の要件を満たさなければならない。

 保護を受けるためには、パッケージの形状となる商標は既存のデザインとは著しく異なっていなければならない。さらに、デザインが商品に実質的な価値を与える場合には、形状の保護は認められない。例えば、オランダを代表するデニムブランド、G-Starの人気商品であるエルウッド・パンツに関する有名な判決では、ジーンズの魅力的な輪郭と外観(shape and appearance)が消費者にジーンズを購入する主な要因であるとの判断が示され、有効な形状商標であるとは見なされなかった。

 形状が既存の形状と大きく異なることを証明できない場合、その形状が市場で認知されれば、使用を通じて商標となることを立証するという方法がある。これは、関連する公衆が形状のみに基づいて商品の出所を識別できる場合に適用される。しかし、欧州商標が使用を通じて識別力を獲得したという主張を立証するには、大量の証拠が必要であり、通常、すべてのEU諸国で適用される証拠を提出する必要がある。

 要するに、形状を商標として保護することは非常に難しいのだが、商標権者は実際に要件を満たす方法を見出してきた。一般的な方法の一つは、ブランド名を形状のどこかに配置することで商標全体が識別力を持ち、登録されれば、商標権による保護を受けることができる。但し、この登録が製品の特定の形状も保護するかどうかは分からない。

 オランダ発の自然派コスメブランド「RITUALS(リチュアルズ)」は最近、欧州連合で自社製品の形状をこれまでとは異なるアプローチで商標出願を試みた。ロゴの要素をぼかしたのだが、EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、黒い四角には本質的に十分な識別性がないと判断し、このパッケージを形状商標として登録を認めなかった。

本文は こちら (All wrapped up: trademark protection for distinctive packaging)