2024年は設立30年を迎えるEUIPOにとって重要な年となる。30年という節目は、組織の存続において重要な意味を持つことが多く、過去を振り返り未来に向けた計画を立てる機会となるだろう。
設立30年を迎えて
EUIPOは、30年間で1,000人を超えるスタッフを擁する強固な組織へと成長し、年間約30万件の出願を処理するまでになり、これまで300万件以上の商標と意匠を登録してきた。
過去30年の歩み:1994年以降、商標から地理的表示へと拡大する権限
EUIPO(当初は欧州共同体商標意匠庁:OHIM)は、欧州連合(EU)の商標を管理することを目的に1994年に設立された。それから30年間約260万件の商標出願を受理してきた。
2003年には意匠の登録を開始し、2023年までにEU加盟国内で保護を求めるクリエイターから約180万件の意匠出願を受理した。
商標、意匠…そして著作権
近年、EUIPOは著作権制度の一翼を担う機会を得た。2012年に新たに孤児著作物(Orphan works:権利者が不明の著作物)に関する一般にアクセス可能なオンラインデータベースの運営を開始し、2019年には絶版等の理由で一般に入手できなくなった作品のデジタル化と普及を促進するアウト・オブ・コマース(out-of-commerce)のポータルサイトを立ち上げた。
2023年、地理的表示(GI)が適応された工芸品や工業製品も含むようにEUIPOの業務が拡大し、2025年12月までに工芸品や工業製品の地理的表示(GI)をEUIPOに出願できるようになる予定だ。
そしてその先?
今後数年間、EUIPOは企業や消費者に価値あるサービスを提供し続け、知的財産制度のユーザーとの積極的な関わりを追求していく。
2023年末には、2025年から2030年までを対象とする新たな戦略計画の公開協議が開始された。EUIPOは、欧州全体の成長、雇用創出、投資、経済・社会発展の原動力となることを目指しており、このアプローチは、常に学び成長しEUの未来に有意義に貢献することを熱望する当官庁の歩みを反映している。
本文は こちら (The European Union Intellectual Property Office is 30 years young!)