2024-02-22

韓国特許庁、不正競争行為に対し是正命令可能に – 過料最大2000万ウォン - Kim & Chang

 このたび韓国では、不正競争防止および営業秘密保護に関する法律(以下「不正競争防止法」)上の不正競争行為を行った者に対し韓国特許庁が是正命令を出し、命令を受けた者がこれを履行しない場合は2,000万ウォン以下の過料を賦課できるようにするとともに、不正競争行為に対する関係機関の調査結果を当事者が閲覧またはコピーできるようにする改正不正競争防止法が2024年2月20日に公布され、今年8月21日から施行される予定である。

 現行不正競争防止法の下では、特許庁長は不正競争行為を確認するために関係公務員をして資料や製品等を調査させることができ、このような調査を通じて不正競争行為があると認められる場合は是正勧告をすることができる。

 しかし是正勧告はその名の通り勧告水準に過ぎず強制力がないため、不正競争行為が続く状況を打開することは難しいという限界があり、韓国特許庁によれば自ら是正せず是正勧告を受けるに至った案件は計15件であったが、そのうち3分の1(5件)は是正勧告を履行していなかったことがわかった。 さらに、特許庁によれば2022年だけで203件の行政調査が行われ、調査件数も毎年増加し続けているが、当事者が調査結果を閲覧またはコピーすることが難しく、実際に不正競争行為によって損害をこうむった当事者が民事訴訟において特許庁の調査結果を証拠として活用することが困難であった。

 このため今回の改正不正競争防止法では、①韓国国内に広く認識されている他人の商品・営業標識と同一・類似のものを使用して他人の商品・営業と混同を生じさせる行為、②著名な他人の標識の識別力または名声を害する行為、③他人が製作した商品の形態を模倣する行為、④技術的または営業上のアイディアの奪取行為、⑤有名人の氏名、肖像などを無断で使用する行為のような不正競争行為(不正競争防止法第2条第1号チ目所定の不正の目的でドメイン名を登録、保有するなどの行為およびワ目所定の相当な投資または労力により作成された成果等を無断で使用する行為を除く)を行った者に対して特許庁長が次のような措置をとることができるようにした。
* 是正命令
* 是正勧告や是正命令を履行しない場合、違反行為の内容および是正勧告や是正命令事実等の公表
* 是正命令を履行しない場合、2,000万ウォン以下の過料賦課

 また今回の改正不正競争防止法は、不正競争行為に対する行政調査記録を当事者も閲覧またはコピーできるようにし、関連民事訴訟を審理する法院が特許庁長に不正競争行為に対する行政調査記録の送付を要求したときは、特許庁長は特別な事情がない限りこれに応じるようにした。

 今回の改正を通じてより迅速かつ効率的に不正競争行為を中止に導くことができる実効性のある措置が用意され、専門性のある機関の調査結果を当事者が関連民事訴訟でも活用できるようになっただけに、不正競争行為から正当な権利者を保護するのに特許庁がより一層積極的に寄与できるようになることが期待される。