2024-04-11

EU:漫画のキャラクターと商標保護 - Knijff Trademark Attorneys

 フランスのコミック・シリーズ「アステリックス(Asterix)」のキャラクター、オベリックス(Obelix)は、アステリックス・コミックの主人公の一人で、アステリックスの親友でもある。

 アステリックスとオベリックスのシリーズは世界中で人気があり、多くの言語に翻訳されている。マグカップ、バッグ、ウィッグなど、アステリックス・グッズの種類は実に豊富だ。フランスにはアステリックスのテーマパークまである。まずはネタバレから…このブログでは、コミックのヒーロー、オベリックスの運命が悪い方向へと転がっていく。

 テーマパーク、アニメ、グッズを考えれば、アステリックスとオベリックスの両方が商標保護を受けているのは道理にかなっている。しかし、ポーランドの企業が武器を指定して「Obelix」を商標出願したことで怪しくなってきた。この商標に対する異議申立に失敗したアステリックス・シリーズの出版社は、次に無効請求を行った。

 ポーランドの会社は、同一案件で2度訴訟を起こすことは法律で禁じられていると抗弁した。このルールがなければ、企業は何度も法廷に引きずり込み訴訟費用で相手を破産に追い込みこともできることになる。今回のケースは、アステリックスの出版社が異議申立を行い、その後無効審判を請求した。EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、根拠となる条文は2つの無効請求のような同一手続きにのみ適用されるとして、ポーランドの会社の主張を斥けた。

 次の問題は、「OBELIX」の商標的使用についてだ。ここからが面白くなる。「OBELIX」が有名であることは誰もが認めるところである。しかし、これは商標なのだろうか?言い換えれば、この名称は特定の商品の出所を示すために使われ、他社の商品と区別されるのだろうか?そうであるためには、商標と商品との間に明確な関連性がなければならない。これは漫画や映画のキャラクターにとって常に難しい点である。以前、EUIPOは(ジェームズ・ボンドの)「Dr No」を商標ではないと判断した。今回のケースでは、商標的使用の証拠は確認されなかった。EUIPOは、「OBELIX」が商品に表示されていることを留意したが、これを識別機能とは見なさなかった(「OBELIX」の名称が記載されたラベルやタグは存在しない)。また、「OBELIX」という名称の漫画も、商標的使用と認定するには不十分として、無効請求は棄却された。

本文は こちら (belix and trademark protection)