2024-05-15

EU:「グリーン」商標出願を増加させる持続可能性への意識の高まり - EUIPO

 欧州連合知的財産庁(EUIPO)によると、持続可能性への意識が高まる中、「グリーン(green)」欧州連合商標(EUTM)の出願は増え続けている。分析によると、2022年には、全出願件数の14.5%、19,659件のEUTMが、環境保護と持続可能な開発を目的とした商品・サービスを含んでいた。これは、前年の13.3%から増加したことになる。「グリーン」EUTMの数は、1996年から2022年までの期間において、年平均10%の伸びを示し、近年目覚ましい成長を遂げている。EUIPOに出願された「グリーン」商標の60%以上は欧州連合(EU)企業が占めている。

EU企業の間で「グリーン」EUTMが増加中
 2021年には、21,281件の「グリーン」EUTMが出願され、欧州のビジネス環境における持続可能性の重要性が高まっていることを裏付ける記録を打ち立てた。2022年には出願件数が19,659件とわずかに減少したものの、同時期のEUTM出願件数が全体的に減少していたことを考えると、「グリーン」商標の割合は増加の一途をたどっている。
 そして、2022年にEU企業が出願した「グリーン」EUTMは約12,000件と、過去最高を記録した。これは、EU企業が出願した全EUTMのほぼ14%に相当する。これは、非EU企業が出願したEUTMのシェア15.5%に遅れをとっているが、最新の結果は、その差が近年縮まってきていることを示している。

長期的なトレンドが示す「グリーン」EUTMの力強い成長
 2022年における「グリーン」EUTM全体の件数のわずかな落ち込みは、一時的な休止を示唆するかもしれないが、1996年からの全体的な力強い伸びは、絶対数でもEUTM総数に占める割合でも、持続可能な商品やサービスへの関心の高まりを示している。
 1996年に約1,000件であった「グリーン」商標は、2022年には約20,000件となり、この間の年間成長率は10%に達している。特に、EU企業は年率11%の成長率を示しているのに対し、非EU企業の成長率は8%である。但し、2014年までは、「グリーン」EUTM出願のシェアはEU企業が非EU企業を上回っていたが、2014年以降は、非EU加盟国の出願人が「グリーン」EUTMを出願する割合が一貫して高くなっている。

中国とドイツがリード
 中国が3,720件の「グリーン」EUTMで最前線にある。EU加盟国の中で「グリーン」EUTMの数が最も多いのはドイツで3,297件である。商標出願全体に占める「グリーン」EUTMの割合ではスイスの21.6%がトップで、EU加盟国では、スロベニアが19.8%で最も高く、2021年のEU加盟国中10位から急上昇した。
 この分析は、1996年以降に出願されたすべてのEUTM出願の指定商品・サービスに含まれる8,000万以上の用語をアルゴリズムで検索し、専門家によって定義された900以上の「グリーン」用語のうち少なくとも1つを含むものを特定したものである。

本文は こちら (Rising sustainability awareness drives interest in green EU trade mark applications)