2024-05-08

EU:ナメめられた?クリスチャン・ディオール - Knijff Trademark Attorneys

 以前、中国では悪意による商標出願がよく行われていたが、最近の中国の法律がより厳しくなったことで、悪意による商標出願は減少しているようだ。 

 欧米のブランドは品質とステータスの象徴であり、そのような確立された商標をコピーすることほど簡単なことはない。コピーする者は商標の正当な所有者でないことは明らかだが、それでもこのようなことはしばしば起こっていた。

 欧米商標のコピー出願が減少しているのは、中国における中国ブランドの人気が高まっていることも一因だ。中国では、中国製品やサービスの価値を高めるため、「Made in China」から「Created in China」への政策転換が行われている。この政策には、研究開発への投資の促進、起業家精神の活性化、イノベーションを保護するための知的財産権制度の改善などが含まれる。また、中国ブランドの品質はもはや欧米ブランドに劣るものではなくなってきており、すでに欧米ブランドの多くは何年も前から中国で生産されている。

 NIO(蔚来汽車)やBYDの電気自動車などの中国製品が輸出される機会はますます増えてきており、そのため中国企業が米国やEUに出願する商標の数も非常に増えている。

 さてそれは、中国企業が欧米の商標をコピーしなくなったことを意味するのだろうか?そうでもなさそうだ。一部の中国商標出願人は、依然として興味を起こさせる商標を出願し続けている。最近、「J’DOR」というロゴがEUで香水を指定して商標出願された。クリスチャン・ディオールのロゴ「J’adore(ジャドール)」のあからさまなコピーだ。この中国出願人は、自分たちの商標がクリスチャン・ディオールのアイコニックな商標と十分に異なり、クリスチャン・ディオールが異議を申立てないとでも信じているのだろうか。

本文は こちら (J’adore)