2024-05-28

EU:紛らわしい飛行機の尾翼(続編) - Knijff Trademark Attorneys

 ルフトハンザ航空の新しいブランドロゴは、おなじみの黄色の背景に青の図柄から白い背景に青の図柄への切り替えであった。
この新しいコーポレート・アイデンティティに誰もが熱狂的に歓迎したわけではない。

 ポーランドの航空会社LOTは、ルフトハンザ航空の尾翼が白い背景に青の図柄のLOTロゴと混同される虞があるとして、ルフトハンザの新しいロゴの商標登録に異議を申し立てた。EUIPO(欧州連合知的財産庁)異議部はこれに認めず、観念的な類似があるだけで、混同の虞を想定するには不十分であるとの判断を下した。LOTの異議申立は棄却されたというのが前回までのお話。(参照:ルフトハンザの尾翼ロゴにポーランドの航空会社が異議申立て

 LOTはあきらめず、提出した証拠のかなりの部分が考慮されていないと主張し、異議部の判断を不服として審判請求した。提出された証拠は、LOTの商標の強化された識別力を証明するものであった。

 EUIPO審判部はこの主張に同意し、異議部が後の段階で提出された追加証拠の評価を怠ったとした。LOTによれば、この証拠は、LOTの商標が相当な評判を得たことで識別力を高めていることを立証するものだ。特にLOT商標の識別性と評判に関して異議申立の結果を左右するため、異議部はこの証拠を評しなければならない。
 この評価次第では、この事件が面白い展開になるかもしれない。(続く)

LOTの尾翼

本文は こちら (Confusing airplane tails – the sequel)