2024-06-04

日本:織ネーム製造の中川産業が6月1日から偽造防止糸サービスを開始

 偽造品問題を解決するために偽造防止糸「SHIRUSHI」を開発した織ネーム製造業を行う中川産業株式会社(所在地:石川県小松市、以下「中川産業」)は、アパレルメーカーからの問い合わせが急増していることを踏まえて、家具、インテリア商品への偽造防止糸サービスを6月1日から開始すると発表した。

 中川産業では、模倣品や偽造品からブランドを守る偽造防止糸「SHIRUSHI」への問い合わせ数が、ここ3年程で5倍に急増している。独自の技術で開発した特殊な偽造防止糸「SHIRUSHI」(特許第6382113号)は、幅0.15~0.75ミリという髪の毛より細い糸にブランド名をプリントすることができ、衣類やバッグ、小物などに縫い付けられているタグを織ネームと言うが、その織ネームの偽造防止糸「SHIRUSHI」へブランド名をプリントした糸を織り込むことができる。

 織ネーム部分をスマートホンのカメラ機能で拡大して見れば文字が書かれた糸が織り込まれているのが本物だ。他社ではマネすることができない織ネームを商品に付けるため、商品購入者、商品販売業者、誰にでも判別できる。現在、高級ベビー服メーカーと高級カジュアルアパレルメーカーに「SHIRUSHI」が導入されている。利用企業からは「海外で製造したら海外で偽物が出回っていて、調べてみるとインターネットで偽物が販売されていた。偽造防止糸を取り入れることで、商品開発や販売など元々の業務に安心して専念できるようになった。」などの声が上がっている。

 「SHIRUSHI」の開発のきっかけは2010年に愛媛県今治市のタオル組合担当者から「偽造品がたくさん出てきて困っている。」という相談から生まれた。その当時、偽造品防止策としてレーザー光で対象物に刻印するレーザーマーキング技術などがあったが高額な設備を使用するため実装できなかった。そこで、低コストで実装できる偽造品防止策の研究開発を自社で始めた。開発に3年。独自の技術と最新鋭の設備でオリジナルの偽造防止糸「SHIRUSHI」が完成した。偽造防止糸「SHIRUSHI」はレーザーマーキング繊維の20分の1以下の価格で導入可能。アパレルを始め、バッグ、シューズ、ベビーカーなどネームタグのある商品すべてで利用できる。

 代表取締役の中川善勝氏は「分業化が盛んな繊維業界の中で、外に頼らず自社で製造できるように内製化を進めた結果、高い技術のものを安く仕上げることができるようになりました。これからも国内の高品質のブランドメーカーを偽造品や模倣品から守っていきたいです。」と語っている。