ドイツで開催されているサッカーのUEFA欧州選手権を観戦している人なら、アリペイ(Alipay)、アリエクスプレス(AliExpress)、VICOなど、さまざまな中国企業がスポンサーになっていることに気がついたであろう。
中国最大のスポンサーは、電気自動車をはじめとする事業を提供しているBYD(比亜迪)で、現在電気自動車の販売台数でテスラと首位を争っている。BYDは多くの広告用掲示板やその他の広告スペースに現出しているほか、UEFA欧州選手権の放送に合わせてテレビ広告キャンペーンも行っている。
これらのメディア・キャンペーンの目的のひとつは、ブランド認知度を高めることだ。UEFA欧州選手権のような大きなイベントには、欧州外からも多くの観客が集まるし、視聴者も欧州に限定されるものではなく、世界中の視聴者にリーチできる。
BYDに興味を持った人は、おそらくBYDのウェブサイトを訪れるだろう。しかし、どのウェブサイトを見ればいいのだろうか?通常、「BYD」に関するウェブサイトやURLは、この大手企業のものだと考えるだろう。「.com」ドメイン名は確かにBYDのものだ。しかし、ドイツの「byd.de」はBYDのもではなく、「Buy Your Dildo」というウェブサイトだ。これはBYDにとって非常に残念なことで、電気には関係あるもの、このサイトにはあまり関わりたくないと思うかもしれない。このサイトにUEFA欧州選手権のスポンサーと勘違いした訪問者が多いため、「Buy Your Dildo」は勘違いした訪問者を正しいBYDのウェブサイトにリダイレクトさせる通知を掲載している。
ブランド・オーナーとして、すべての国のドメイン名を登録する必要があるということだろうか?主要な国については登録することを勧めたい。しかし、「BYD」のような略語や既存の単語を使用する場合には困難が伴うことも多い。求めるURLには別の所有者が既にいて、かなりのコストをかけなければ求めるURLを取得できないこともある。このような状況でも、「.com」ウェブサイトの知名度が高ければ素晴らしい効果を発揮することがある。しかしながら、特定の国で何百万ドルもかけてイベントのスポンサーになる場合は、「Buy Your Dildo」のようなウェブサイトを防ぐことを最優先すべきであろう。