2024-07-31

ベネルクス:登録を阻止した黄色を背景とした商標、決め手は黄色! - Knijff Trademark Attorneys

 「CHOCOMEL」(ベルギー名「Cécémel」)は、ベネルクスで高い人気を誇っているチョコレート飲料ブランドだ。

 「CHOCOMEL」は1932年からベネルクスで販売されており、フリースランド・カンピーナ(FrieslandCampina)によると、黄色(色コード:PMS 116U)は発売以来一貫して製品と広告に使用されている。フリースランド・カンピーナは、この特定の黄色のカラーマークに基づき、黄色が重要な特徴である「CACAOLAT」商標のベネルクス出願に対して異議申立を行った。

 「CACAOLAT」は世界初の瓶入りミルクセーキで、1933年から主にスペイン市場で販売されている。この異議申立に対してCACAOLATは、商標「CACAOLAT」が1953年から登録されており、黄色を背景とするスタイライズされた茶色い文字の商標は2014年にベネルクスを指定して国際商標登録されていると反論した。

 CACAOLATは、「CHOCOMEL」が人気のあるブランドであることは認めたが、当該カラー商標が著名であることと特別な識別力を享受していることについては争った。しかしながら、ベネルクス商標庁は、フリースランド・カンピーナが提出した証拠により、CACAOLATが長期間にわたって(当該商標の色合いと同一または酷似する)濃い黄色を要部として使用していることを認めた。

 ベネルクス商標庁は、「CHOCOMEL」はチョコレートミルクに関して高い評判を得ており、この評判と商標間の外観的類似性を考慮すると、「CHOCOMEL」に関連するイメージが争点となる商品(主にカカオベースの飲料など)で重なる可能性があると判断した。

 チョコレート飲料市場で異なる色調の黄色が広く使用されているという主張は、ベネルクス商標庁によれば、CACAOLATが類似する色を登録する正当な理由とはなり得ない。なぜなら、CACAOLATが出願した商標の黄色の色調が、引用商標(「CHOCOMEL」)とほぼ同一である理由を説明できないからである。また、以前にCACAOLATが登録した「CACAOLAT」商標の背景色を、今回フリースランド・カンピーナが長年使用してきた色とほぼ同じ色に変更した理由も不明であるとした。

 フリースランド・カンピーナは、CACAOLATが登録を希望したほとんどの商品について「CACAOLAT」商標の登録に待ったをかけることに成功した。CACAOLATは、ベネルクスの裁判所に上訴することはできる。

 フリースランド・カンピーナがこの件をさらに一歩進めて、彼らのカラーマークに基づく侵害訴訟を起こすかどうかが気になるところだ。ただ、オランダのスーパーマーケットでこの製品を見かけたことはない。

 

本文は こちら (And it was all yellow – FrieslandCampina successfully invokes yellow color trademark)