浦和工業株式会社(以下「浦和工業」)は、米国カリフォルニア州に本社を置くKUPA INC. (以下「KUPA」)に対して、ネイルマシーン Upower UP200シリーズ(以下「カラーパープル」の商標権等に関して2022年8月5日付けでカリフォルニア州セントラル地方裁判所に提訴していたが、浦和工業は2024年4月11日付でこれらの訴訟について以下の内容で和解が成立したと発表した。
和解の内容
* KUPAは浦和工業に対し、和解金US$1,000,000(約1億5800万円)を2年間の分割にて支払う
* KUPAはカラーパープルの商標権及び意匠権を浦和工業に譲渡する手続きを行う
* KUPAはカラーパープルの商標権もしくはこれに類似するネイルマシンの在庫を廃棄し、販売を中止する
* KUPAの浦和工業に対する請求は取り下げる
事件の経緯
浦和工業のネイルファイリングマシン「UP200」は「パープルマシン」とも呼ばれ、米国ではKUPAが浦和工業のExclusive Distributor(独占販売代理店)として販売していた。
UP200は浦和工業が開発、製造し、世界中で販売している製品で、その優れた性能と卓越したデザインから業界において有名になり、消費者がUP200のことを独特の紫色から「パープルマシン」と呼ぶようになった。KUPAは浦和工業のDistributor(販売代理店)に過ぎず、「パープルマシン」の名称やデザインについて何らの権利も有しておらず、また所有していると主張もしていなかった。それにも関わらず、KUPAは米国でUP200・パープルマシンに関連する商標権及び意匠権を、浦和工業に無断で自らの権利として登録した。無断で登録された権利の内容は、UP200の外観及び紫色のデザイン、文字商標「UP200」及び意匠などだ。
浦和工業はKUPAとのUP200に関する北米でのExclusive Distribution Agreement(独占販売代理店契約)を2021年末で終了し、CT Beauty Supply, Inc.並びにAngelina Nail Supply, Inc.を新たなDistributor(販売代理店)として認定した。
一方、KUPAからは米国のKUPA以外の会社にUP200を販売することはKUPAの権利を侵害するもので、損害賠償を請求するとのレターが浦和工業及び新たな販売代理店に送付されてきた。
また浦和工業の独自の調査により、KUPAがCOVID-19パンデミック時に、北米での独占販売契約期間中の独占的販売店であったにもかかわらず、UP200の生産状況などに関して虚偽な情報を提供することで、ネイル商材販売店と消費者を欺き、米国でのUP200の販売を抑制させ、他社製造のネイルマシンの販売を優先させるなど、浦和工業に損害を与え、黙示の誠実・公正取引約款に違反する不誠実な行為を行っているとの疑惑が生じた。
このため、浦和工業は2022年8月5日、KUPAに対してカリフォルニア州セントラル地方裁判所に商標権登録及び意匠権登録に関する訴訟及びKUPAの虚偽報告及び販売代理店としての不誠実な取引行為等に対する損賠倍書を求める訴訟を提起した。この商標権・意匠権訴訟は、浦和工業が「UP200」に関する商標権や意匠権を有することを確認する宣言的判決とKUPAが取得した商標登録を取り消すことについての宣言的判決を求めた。
これらの浦和工業による訴訟提起に対して、KUPAからはカラーパープルの登録に基づき浦和工業及び新たな販売代理店に対して損害賠償請求が提訴された。
日本における訴訟を含めた浦和工業のお知らせは こちら