韓国にも永らく待ち望まれた「商標共存同意制度」が2024年5日1日付で導入され施行されている。同制度の利用にあたり参考となる韓国特許庁の実務ガイドラインは次のとおりである。
共存同意書の提出可能時期
共存同意書は商標出願時、先登録(出願)商標と類似するとの理由で拒絶理由通知を受けた場合、または拒絶決定不服審判請求時に、出願書、意見書、審判請求書に添付する形式で提出することができ、商標法施行規則(第26条の2)では提出可能時期を下記のように具体的に明示している。
∙ 出願公告前:出願時から出願公告または特許庁の拒絶決定前まで
∙ 出願公告後:異議申立に対する答弁書提出期限または特許庁の職権拒絶に対する意見書提出期限内
∙ 再審査請求時:再審査請求期限内(つまり拒絶決定書受領後3ヶ月以内)
∙ 拒絶決定不服審判請求時:審判請求時から特許審判院の審理終結前まで
共存同意書に記載されなければならない事項
共存同意書の必須記載事項は下記のとおりである。
1. 先登録(出願)の詳細
2. 出願商標の詳細
3. 共存同意の対象となる指定商品ないし指定役務の範囲
4. 先登録(出願)商標および同意により登録される出願商標はいずれも共存同意と関連した登録商標であることが登録原簿に反映されることに対し各当事者が認める旨を確認する陳述
5. 先登録(出願)権利者の署名または捺印
6. 出願人の署名または捺印
7. 同意日
認められない共存同意書の類型
∙ 条件付き同意(例;期限・地域制限、法律効果の一部排除などの条件付き同意は認められない。ただし指定商品の限定は可能)
∙ 包括的同意(例;今後出願される出願商標一切に対する共存同意等は認められない)
∙ 先登録(出願)商標と標章および指定商品がすべて同じ出願商標に対する同意(1商標1出願主義違反に該当するかを基準に判断)
今回導入された商標共存同意制度が今後実務上どのように活用され定着していくかについては引き続きモニタリングしアップデート予定である。