2024-08-07

米国:ナイキのシューズを無断改造するシュー・サージョンをナイキが提訴 - Marks & Clerk

 ナイキ・インク(以下ナイキ)はこのほど、ドミニク・シャブロン(Dominic Ciambrone)、が創立した「シュー・サージョン(The Shoe Surgeon)」に対し、販売の差止めと6,000万ドルを超える損害賠償を求める民事訴訟を米国で起こした。ナイキの準備書面(preliminary statement)によると、訴訟はナイキの知的財産権の大規模な侵害に関するものだけでなく、シュー・サージャンがナイキの商標権と信用を無許可で利用して多面的な小売帝国を築こうとする試みを阻止することも目的としたものだ。

 シュー・サージョンは、ナイキを含むブランドシューズを独創的に改造することで有名で、靴の改造方法を教えるアカデミーも開いている。シュー・サージョンのサービスは決して安くはなく、「特注の手作り靴」を作り直すのに5,000ドルからとなっている。

 ナイキは、シュー・サージョンによる無許可の靴の改造が市場に混乱を引き起しており、シュー・サージョンとナイキが提携している、あるいはナイキがシュー・サージョンの行為を許可していると消費者に思わせていると主張しており、さらに、この混乱によりナイキブランドが傷つけられているとも主張している。

 スニーカーを個別にカスタマイズしたものを扱う市場(customised trainer market)は、目新しいものではないが、かなり急成長しているようで、ナイキのような有名ブランドにとっては、ブランドメッセージのコントロール能力が喪失されたり、手間をかけて作り上げたブランド価値が損なわれる虞が増加するといった懸念を引き起こしている。

本文は こちら (Nike cracks down on The Shoe Surgeon’s unauthorised modifications of Nike branded shoes)