企業は独創的な名前、美しいロゴ、そしてもちろん独創的で人目を引くデザインを考え出し、自社を際立たせることができる。注目されたければ目立つことだ。魅力的なデザインはより多くの顧客を獲得することにつながる。
デザインが新しく、既存のデザインと異なれば、特徴的なデザインは意匠権によって保護することが可能だ。意匠権は、商標とは異なり使用義務がない。ただし、保護期間は25年だ。
人目を引く未来的なデザインで有名な企業に、映画「スター・ウォーズ」のルーカスフィルムがある。に登場する「スターファイター」やR2D2、銀河帝国軍の機動歩兵「ストームトルーパー」のようなキャラクターなど、スター・ウォーズ映画に登場するいくつかのデザイン要素はシンボリックなものだが、意匠としては登録されていない(少なくとも欧州では)。デザインを意匠登録しない理由はいくつか考えられるが、デザインの新規性要件によるところが多い。一方で、ルーカスフィルムは商標権を所有している。
多くの知的財産を所有する他の企業と同様、ルーカスフィルムも常に警戒を怠らないようにしなければならない。ドロイドのキャラクター「BB-8」に疑わしいほど似ている標章を中国企業がEUに商標出願した際、ルーカスフィルムは取消審判を起こした。その訴えの根拠は、先行する意匠権ではなく、中国企業のデザインは新規性がなく、創作の非容易性もないという主張であった。
まず、どちらのロボットも球形の胴体とドーム型の頭部を持っている。また、頭部にある2本のアンテナ、目の役割を果たす2つの光学レンズ、全体的な色の組み合わせ(白、銀、黒とオレンジの装飾)、胴体にあるジョイントラインでつながれた丸いオレンジのパネルも似ている。要するに、ほとんどすべてのデザイン要素が同じなのだ。中国企業が主張できる唯一の違いは、丸いパネルの細部と頭頂部の装飾だけだ。
EUIPO(欧州連合知的財産庁)も、この2つのデザインにはほとんど違いを認めなかった。形状は同じであり、若干の違いはあるが、類似点を上回るものではない。中国企業はロボットにどんな色を選ぶこともできたのに、同じ色を使用したことがすべてを物語っている。中国企業のデザインはBB-8の見事な勝利で取り消された!