2024-08-16

EU:大麻を指すスラングに商標の登録拒否反応 - Knijff Trademark Attorneys

I’m in love with Mary Jane
She’s my main thing
She makes me feel alright
She makes my heart sing

 カンナビス(Cannabis:大麻を学術的に呼ぶ際の名称)を指すアメリカのスラング「メリー・ジェーン(Mary Jane)」は1950年代に流行し始めた。メリー・ジェーンは、メキシコで使われていた「Marijuana(大麻)」を意味する言葉と読み方が似ており、初めに引用したリック・ジェームスの歌にあるように、アメリカのジャズやヒッピーの間でよく使われるようになった。その後、この言葉は大麻の非公式な呼称として定着した。   

 トルコの商社であるAK Trade社は、タバコ、電子タバコおよび関連商品について、「Marie Jane」を図形商標として欧州連合知的財産庁(EUIPO)に出願した。EUIPOは、公序良俗に反しており薬物使用を助長するとして、「Marie Jane」商標の登録を拒絶した。

 EUIPOは、ターゲットとなる人々がこの商品から大麻を連想すると考えた。これを立証するために、EUIPOは英語辞書の「Mary Jane」の定義を参照した。欧州市場でこの言葉が使われていることを示すために、EUIPOは「Malta Today(マルタ共和国で発行されている英語新聞)」のウェブ・ニュース記事を引用した。記事は、AD(マルタの政党「緑の党」)の候補者の大麻草をマルタ警察が押収したことを報じており、候補者のフェイスブックへの投稿には、「Marie Jane」というキャプションが添えられていた。

 「Marie Jane」が、ヨーロッパでよく知られたスラングだとする十分な証拠になるかどうかは議論の余地がある。さらに、この商標は本当に現代社会のモラルと相反するものなのだろうか?ドイツでは大麻の娯楽的使用が合法化され、オランダでは何十年も容認されてきた。もっと現実的な視点を受け入れるべき時なのかもしれない。

本文は こちら (Marihuana in slang: an interesting trademark rejection)