2024-09-18

EU:コンバースの「ALL STAR」に似た商標に異議申立 - Knijff Trademark Attorneys

米国のシューズ製造販売会社コンバース(Converse)を代表するスニーカー「ALL STAR」は象徴的なブランドだ。
このクラシックなスニーカーを履いたことがない人はあまりいないかもしれない。「ALL STAR」の商標権は十分に保護されていると考えていいだろう。だから、誰も真似しようとは思わないはずだ。しかしながら、「ALL STAR」の外観を模倣し、その評判から利益を得ようとする企業はあるようだ。最近、ベルギーを拠点とする事業者によって出願されたEU商標「Cebo(下図)」について見てみよう。

 

「Cebo」の出願は靴を指定するものだった(驚くことでもない)。All Star C.V.(「ALL STAR」や「Converse」の商標権者)が、以下に示す図形商標の商標権を根拠に異議申立を行ったのも驚くにはあたらない。

 

異議申立の根拠は、混同の虞と先行する商標の評判の両方であった。
これらの商標が、同様に厚いソール、靴ひも、円形のロゴを持ち、全体的に似た印象を与えることは、素人目にも明らかである。しかし、これらの類似点は混同を生じる虞を伴うほど類似すると言えるのだろうか。消費者は、「Cebo」の靴を「ALL STAR」と混同したり(直接混同:direct confusion)、同じ製造者が作っていると考えたり(間接混同:indirect confusion)するのだろうか。あるいは、All Star C.V.の主張を受け入れることは、「ALL STAR」にあまりにも大きな独占を与えることにならないのだろうか?これはとても興味深い問題であり、どちらの側にも多くの議論の余地がある。 

All Star C.V.はまた、その商標の評判についても主張しており、「Cebo」商標の使用が「ALL STAR」商標に関連する独自の識別性や評判を損なう可能性や不当に利益を得る可能性があることを示唆している。
ところで、「評判」といった法律用語は頻繁に使用されるが、実際には何を意味するのだろうか。
 
広範な評判を持つ商標は、より高度な保護を享受する。他人の商標との類似度が低くても、定着した商標の識別性や評判を脅かすものであれば問題となり得る。この懸念は、特に先行する商標の「希釈化」のリスクがある場合に生じる。このような主張を支持してもらうためには、商標の評判に関する合理的な証拠を提示する必要がある。All Star C.V.が説得力のある証拠を提出できれば、このような理由で異議申立が成功する可能性は十分にあると思われる。 

通常通り、EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、和解が可能かどうかを確認するために、当事者に十分な時間を与えている。和解に至らなければ、異議申立の論議が本格的に開始されることになる。

あなたはどう思うだろうか?両者が法廷で衝突し、All Star C.V.が勝者となるのだろうか?それとも、All Star C.V.が足を引きずりながら帰路につくことになるのか?
この事件から目が離せない。

本文は こちら (Sneaky Sneakers)