2024-09-19

MARQUES 2024が間もなく開催、テーマは「商標専門家にみられる多くの特性」 - Novagraaf

2024年の欧州商標協会(European trademark association)MARQUES年次大会は、9月24日~27日にスウェーデンのストックホルムで開催される。

 商標弁護士は、法律、製品、ビジネスコンサルティングなどの分野で独自の地位を確立しており、業界の新しいトレンドやテクノロジーに対応し、クライアントをサポートするために、より幅広いスキルが求められている。今年のMARQUES年次大会のテーマが「many traits of the trademark expert(商標専門家にみられる多くの特性)」であるのも不思議なことではない。Luke Portnowが解説する。

 今年のMARQUES年次大会のテーマからも明らかなように、新しい業界やクライアントからの要望や技術に適応していく中で、商標弁護士の法的役割やコンサルティングの役割はますます幅広くなっている。商標コンサルティングは、今や「純粋な」知的財産法から離れた様々な要因を理解する必要があり、商標弁護士はより戦略的でビジネスマインドに富んだ法的アドバイスでクライアントを効果的にサポートするためには、従来のコンフォートゾーン(快適な領域)の外で仕事をしなければならない。

 特に現代の商標プロフェッショナルに求められる「特性」に焦点を当てることで、MARQUES年次大会のプログラムは専門性の変化を反映している。また、知的財産法や実務に対するより調和の取れたアプローチを反映する欧州の実務における最近の重要な動向や、特定の法域のみに言及するその他の動向にも注目している。 

知的財産法への異なるアプローチの調和
 今年のMARQUES年次大会で取り上げられる具体的なアプローチの違いの一例は、製品デザインである。ハーモナイズされたEU法に依拠することはあっても、各加盟国の裁判所は同じ基準を明確に異なる形で適用しており、しばしば以前の国内法に傾いている。EU圏から離脱した英国では、この傾向がより顕著になっている。

 オンライン上の権利行使もまた、このカテゴリーにおける広範かつ重要なテーマである。というのも、オンラインとオフラインの権利行使を効果的に組み合わせることは、しばしば国ごとの法律や実務に左右される。例えば、ある管轄区域では、コンサルタントは自動削除に関連する「unjustified threats(不当な脅威)」規定を理解している必要がある。また、別の管轄区域では、登録商標権だけでなく、不正競争やコモンロー上の権利に依拠することで効果的な権利行使を成功に導けるかもしれない。

世論を味方につける
 今年のMARQUES会議で取り上げられるもう一つの重要なトピックは、「ニュースになるのは大きな訴訟だけではない」という観点から、世論の動向を見極める必要性である。

 昨今では、定型の事前異議申立要求書を送ることは、国によってはブランドにとってパブリック・リレーションズ(PR)の悪夢となりかねない。さまざまな経験に基づき、地理的にヨーロッパのさまざまな国では現在、このような要求書の発行に関する実務が多様化している。したがって、ブランド所有者やその弁護士は、特定の管轄区域における紛争のあらゆる段階を考慮する必要がある。もはや訴訟を回避するだけの問題ではなく、悪影響を及ぼす可能性のある行為に対抗するための効果的な戦略も必要とされる。
 年中無休のニュースやソーシャルメディアの世界では、「もぐら叩き」的な権利行使に危険が伴うこともある。

コンフォートゾーンを超えて
 商標弁護士が「従来のコンフォートゾーンを超えて」仕事をするためには、マーケティング、広告、規制、商業的な問題、さらには上記のような広範な権利行使によるPRリスクもカバーする必要がある。MARQUES年次大会のプログラムでも明らかなように、実務を合わせなければならない。

 この業界にとって、今や知的財産コンサルティングおよびマネジメントの進化の中で重要な局面にある、非常に刺激的な時期といえる。商標プロフェッショナルの専門分野が進化し続ける中、成功するために必要な特性を理解することで、クライアントをより良く支援する準備を整え、クライアントの信頼を得ることができる。

Novagraafは、今日のグローバルで複雑なビジネス環境では、真に結びついた知的財産の視点と、法的専門知識、管理サポート、商業的洞察力を提供できるパートナーが求められていることを理解している。Novagraafは、135年以上にわたり、法律、コンサルティング、商業的アドバイスを組み合わせることで、世界中の象徴的なブランドや革新的な組織が競争上の優位性を発揮できるよう支援してきた。

本文は こちら (MARQUES conference 2024: Trademarks, traits and trust)