想像してみてほしい。「Champagne(シャンパーニュ)」と文字入れした美しいクリーム色のコートを買ったときのことを…
いい感じでしょう?しかし、誰もがそう思うわけではない。シャンパーニュ地方にある3,000以上のブドウ栽培農家とシャンパーニュメゾン共通の利益を守るワイン生産同業者団体であるシャンパーニュ委員会(CIVC:Comité Interprofessionnel du Vin de Champagne)にとって、服に「Champagne」という文字を使うのは好ましくない。CIVCは、米国のファッションブランド、Cult Gaia(カルト・ガイア)が服に「Champagne」という文字を使用することで、1973年以来EUで原産地呼称保護(PDO)として登録されているシャンパーニュの名称を悪用し、希釈化し、評判を傷つけていると主張した。
CIVCは、カルト・ガイアの子会社で、カルト・ガイアのブランド衣料品をデザイン・生産しているFerminadazaに対する予備的差止め命令を請求した。しかし、Ferminadazaはファッションの歴史を武器に反撃に出た。「Champagne」は長い間、パステル調のクリーム色の代名詞であったことを裁判所に明らかにしたのだ。一方CIVCは、シャンパンワインには様々な色合いがあるため、決まったシャンパン色というものは存在しないと反論した。また、ベージュ、クリーム、サンドベージュといった色の表現も一般的であると指摘した。しかし、裁判官は、ファッションの世界では色名としての「Champagne」は広く受け入れられており、消費者はワインを意識することなく、単に色彩として認識するだろうとの判断を下した。
これは略式手続きにおける判決であり、さらなる法的手続きが続く可能性があることを忘れてはならない。主手続きでは、裁判所は色名としての「Champagne」の使用について異なる判断を下すかもしれない。今のところ、ファッション業界は安堵のため息をつくことができているが、近いうちに「Champagne」が再び法廷に登場するかもしれない。
本文は こちら (Champagne: not just for drinking, now also for wearing!)