商標の登録可能性、使用による侵害リスク等の商標調査を支援する人工知能サービス「TM-RoBo(ティーエム・ロボ)」を提供している株式会社IP-RoBoは、「TM-RoBo」の精度を更に向上させるべく、過去に商標出願された審査段階における各種データから識別力に関連するデータを抽出した<審査段階データセット>、特許庁が公表している審査基準から識別力に関するデータを整理した<審査基準データセット>をそれぞれ開発し、11月1日より提供すると発表した。
今回のデータセットの追加は、調査商標に含まれる各語の識別力に関連する語力統計指標の精度を更に向上させ、<商標検索機能>の総合的な精度の向上を目指したものだ。
データセットの機能概要
(1)審査段階データセット
審査段階における特許庁判断、これに対する出願人の対応等から、識別力に関する専門家判断を整理した。このことにより、幅広い分野での大量の識別力データセットを用意した。
この審査段階データにヒットした場合は、語力統計指標が低く算出されることになるが、その根拠として、当該審査段階データに係る出願番号、語力統計指標が低くされる理由(出願人の行為、特許庁の応答等)も合わせて表示する。
(2) 審査基準データセット
特許庁が公表している審査基準をもとに、識別力データを抽出した。このことにより、全ての分野を網羅する正確かつ大量の識別力データセットを用意した。
この審査基準データにヒットした場合も、語力統計指標が低く算出されることになるが、その根拠として、審査基準データにヒットした旨が表示される。
期待される効果
各語の識別力判断に有益な指標である語力統計指標算出の精度を向上させることで、入力商標で検討すべき各組合せ語のTMC(分離観察される可能性に関連する指標)の精度が上がり、入力商標の最終的なリスク判断に有益な総合指標であるTMSの精度も向上し、語力統計指標検討のための根拠情報も更に取得することが可能となる。
このことから、更に下記のような効果が得られると考えられる;
(1)ネーミングと商標調査の同時実施による時間的ロス、ストレスの大幅軽減
(2)二段階調査の実施による全社的な商標業務の効率化