2024-10-17

EU:金色ボトルの商標権を主張するためには… - Knijff Trademark Attorneys

 結局のところ、金色は商品の高級なイメージを高めるために使われることが多い。しかし、最近、EUIPO(欧州連合知的財産庁)で争われた興味深い事件のように、紛争が生じることもある。この事件は、イタリア・ワインやシャンパンの製造会社であるSensi Vigne & ViniS.r.l.の金色ボトルからなる図形商標に対するものであった。

 

 ワインとグラッパを製造するMaschio Beniamino S.r.l.は、金色ボトルからなる図形商標の登録後に取消請求を行った。

取消請求は以下の主張によるものだ;
1. ボトルの形状および色彩が出所表示に必要な識別力を欠いているため、商標として機能しない。形状および色彩が、この種のボトルに通常使用される一般的な形状および色彩から十分に逸脱していない。唯一の識別要素は「SENSI」と「18K」と表示されたラベルである。
2. 金色のボトルは長い間市場に出回っているため、消費者の目には、金色は単なる装飾的要素としか映らず、出所を示すものとは映らないだろう。この主張を裏付ける例として、モエ・エ・シャンドンのボトルが挙げられた。

 取消請求にあまり勝ち目がなかったとはいえ興味深い事件であった。最初にEUIPOがこの商標の登録を認めた理由は明らかである。この商標は単に形状と金色からなるものではなく、「SENSI」と「18K」という付加的な商標要素が識別力を高めている。

 文字などの要素を追加して本来は記述的な商標を識別可能にする「技」は、形状商標の識別力を高めるためにしばしば使われる。(文字要素を含む)図形商標が登録されれば、ブランドオーナーは商標権を取得することができる。しかし、保護されるのは特徴的な要素のみで、ありふれた要素ではない。今回のケースも例外ではなく、ボトルと金色が保護されるのはごく限られた範囲に限定されるものと思われる。

 文字要素によってボトルは識別力があるという理由で取消請求は認められなかった。しかし、この商標は本当に有益性が高いと言えるのか、疑問は残る。 

本文は こちら (Golden oldies)