Fairfield Market Researchの最新レポートによると、世界のアニメマーチャンダイジング市場は、2024年の91億5000万米ドル(約1兆4千億円)から2031年には163億3000万米ドル(約2兆5千億円)に成長すると予想されている。
プレミアリーグのサッカー選手が「NARUTO -ナルト-」の登場人物のお面をかぶってゴールを祝い、Netflixが幅広いアニメ作品に軸足を移している等々を見ると、世界中でアニメの魅力が大きく成長しているのは明らかだ。
レポートによると、デジタルプラットフォームの増加は、マーチャンダイジングの状況を一変させ、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の分野における革新は、この分野におけるアニメ商品を多様化している。
アニメブランドのオーナーは、間違いなく新しい市場での機会を利用したいと考えるだろう。だから、ナルトで有名なセリフ「BELIEVE IT(日本版では「だってばよ」)」なのだ!商標登録は、この分野におけるマーチャンダイジングの目標を達成する上で重要な役割を果たすだろう。
登録商標は、その権利者が関心を持つ商品やサービスに関するブランドを保護するものであり、権利者には商標が指定する商品・サービスの使用を独占する権利を与えるものである。また、登録商標と同一または類似する標章の第三者による使用を防止するために権利行使もできる。
アニメブランドのオーナーは、一般的に漫画の出版やアニメシリーズの提供に関して、漫画のタイトルや番組のタイトル、キャラクターの名前、キャラクターの外観を保護することになるが、商品化やライセンス供与の機会を通じて商品化しようとする他の商品やサービスについても商標で保護する必要があることは明らかである。
「NARUTO-ナルト-」を例にとると、集英社(原作の権利元)は、「NARUTO-ナルト-」のスタイライズした文字と標準文字で商標を登録または出願しており、「NARUTO-ナルト-」の外国語版について、世界32地域で240件の商標を登録または出願している。
集英社は「NARUTO-ナルト-」および関連ブランドの登録商標を所有しているが、アニメの製作者であるテレビ東京にこれらの商標をライセンスしているようであり、さらにテレビ東京には、模倣品製造者に対して商標権侵害の訴訟を起こす権利が与えられていることが、米国の裁判所での模倣品製造者に対する最近の成功事例によって明らかになった。
中核となるマンガやアニメ関連の商品やサービスに加え、登録商標はゲームや玩具、ビデオゲーム、衣料品、化粧品、飲食料品、印刷物など幅広い商品分野にわたってブランドを保護している。また、遊園地やレストランなどのサービスに関するブランドも保護されている。これらの権利の多くが2022年以降に登録または出願されているが、これはFairfield Market Researchのレポートが裏付けるように、アニメに対する世界的な関心の高まりを反映したものである。
登録商標には、アニメや広範なアニメブランドがマーチャンダイジングや権利行使の目的を達成するために不可欠な、いくつかの重要な点がある;
保護 :登録商標は、それが使用される商品・サービスに関して、番組タイトル、キャラクター名、キャラクターの外観を保護することができる。これにより、ブランドオーナーは、第三者によるブランドの使用を阻止する強力な立場に立つことができる。これは、模倣品が非常に多くみられるマーチャンダイジングにおいて重要である。特に、登録商標は、アマゾンのようなオンラインプラットフォームから模倣品を排除し、仮想環境におけるアバターやスキンによるキャラクターの侵害使用を防止するブランドオーナーの権利を強化するものだ。
価値 :登録商標は非常に価値のある資産であり、アニメブランドに対する消費者の認知度が世界的に高まるにつれ、それらのブランドがマーチャンダイジング目的で第三者にライセンスされる機会も増えるだろう。強力な商標ポートフォリオは、マーチャンダイジングを目的としたライセンス契約を締結しようとするブランドオーナーの経済的利益に直接的な影響を与えるだけでなく、ライセンスを受けているパートナーにとっては、ライセンス商品に関する商標が登録されることによってライセンスされたブランドが適切に保護されているという信頼が高まることになる。