2024-12-23

中国:CNIPA、「商標使用許可登録手続指南」を正式発表 - 北京路浩

 2024 年10月29日に、国家知識産権局(CNIPA)は、「商標使用許可登録手続指南」を公表した。当該指南において、複数の重要概念と原則が記載されているので、ここで、簡単な紹介を行う。

【商標使用許可登録手続の効果】
 当事者間の真意と合意を表明して締結された商標使用許可契約の効力は、商標使用許可が登録手続きを行ったか否かによって影響を受けないが、登録手続きのない商標使用許可は、善意の第三者に対抗することはできない。

【使用許可の類型】
1.通常使用許可
 通常使用許可の場合、複数のライセンシーが共存することが可能である。また、ライセンサー自身の使用も禁止していない。権利侵害が疑われる場合、ライセンシーが商標権所有者の委任を受け、訴訟を提起することが可能である。
2.排他的使用許可
 排他的使用許可の場合、ライセンシーが第三者を排除して商標を使用することが可能である。即ち、ライセンサーは一つのライセンシーのみに対し使用を許可することになる。ただし、合意のある範囲内で、ライセンサー自身も使用可能である。権利侵害が疑われる場合、ライセンシーが商標権所有者と共同して訴訟を提供することが可能である同時に、商標権所有者が訴訟を提起しない場合、ライセンシーが単独で訴訟を提起することも可能である。
3.独占的使用許可
 独占的使用許可の場合、ライセンシーが最も強い権限を有する。ライセンシー以外の如何なるもの、約束の期間内または地域内に当該商標を使用してはならない。約束の期間内または地域内である限り、ライセンサー自身も使用不可である。独占的使用許可の場合、ライセンシーが単独で訴訟を提起することも可能である。

【使用許可契約の記載内容】
 使用許可の契約書には、少なくとも、以下の内容を含まなければならない。
1.商標の基礎情報:登録番号、商標見本
2.指定商品と役務の情報
3.使用許可の具体的方法と地理的範囲
4.使用許可の期限
5.使用許可の類型と制限事項
6.品質保証に関する規約
7.契約違反に関する規定

【使用許可登録の諸要件】
1.商標
 有効な登録商標のみ、権利期間満了または無効の商標に対し、使用許可をしてはならない。
人民法院にて資産凍結の処分を受けた商標権に対し、使用許可登録を行う場合、人民法院による同意書を提供する必要がある。担保設定中の商標権に対し、使用許可登録を行う場合、担保提供者の書面による同意を得なければならない。
2.主体
 商標権の所有者によって提出しなければならない。
共同所有の商標権について、すべての所有者の書面による同意を得た上、身分証明の写しも提出する必要がある。
3.所要書類
 商標権所有者とライセンシー両方の身分証明の写し;委任状;販売許可が必要な商品(医薬品、タバコなど)に関して、販売許可に関する証明の提供。

【その他の注意事項】
1.使用許可契約の双方のいずれかの名称が変更した場合、ライセンサー側から、CNIPAに、変更の手続きを行う必要がある。
2.審査中の使用許可登録申請を取り下げることは可能である。
3.すでに登録された使用許可に対して、有効期間内に、両当事者の合意によって、ライセンサー側から、CNIPA に、中止の手続きを行うことが可能である。
4.使用許可登録後、使用許可の商標、商品または役務、関係当事者、使用許可の期限、許可の範囲などに、実質的な変更が発生する場合、新たな使用許可登録申請を提出しなければならない。

本文は こちら (路浩知財ニュースレター)