2025-01-29

EU:「LV」商標に「L.V」を根拠にルイ・ヴィトンが異議申立 - Knijff Trademark Attorneys

ルイ・ヴィトンはその象徴的な図柄で世界的に知られているが、ブランド名も広く知られた商標である。

また、企業がブランド名の略称を商標登録することは一般的なことだ。自動車メーカーのBMW(ドイツ語のBayerische Motoren Werke:バイエルン州のエンジン工場)、オンライン小売業者のASOS(As Seen on Screen:画面で見たもの)、スポーツ用品メーカーのASICS(ラテン語のAnima Sana In Corpore Sano:もし神に祈るならば)など、主に略称で知られているブランドさえある。ルイ・ヴィトンもまた、バッグや衣料品でよく見られる略称「L.V」を商標登録している。 

ルイ・ヴィトンは最近、クリーニング用品を指定した「LV」商標をEU出願したフィンランドの会社に対して異議申立を起こした。混同のおそれは認められるだろうか?

EUIPO(欧州連合知的財産庁)は異議申立を審理し、出願された商標の商品は「L.V」の商品に類似すると判断した。しかも、同じ文字が同じ順番で並んでいる。唯一の違いは、ルイ・ヴィトン商標のドットだ。フィンランドの会社は、この点で両商標は非類似で、特に両商標の称呼に違いをもたらすと主張したが、EUIPOはこの主張を退け、一般に消費者は句読点(L ‘dot’ V)を発音せず、またドットのせいで文字と文字の間で間を置くこともないと述べている。従って、ドットのあるなしで非類似にならない。両商標は観念も外観も、さらに称呼も類似しているとした。

なお、フィンランドの出願人は、「LV」と「L.V」は市場においてかなり以前から問題を起こすことなく共存してきたと主張している。このことは、両商標間に混同のおそれがないことを示唆する可能性がある。しかし、この主張が成功するためには、フィンランドの会社が、長期間にわたって商標間に混同が存在しなかったという説得力のある証拠を提出する必要があり、これは非常に困難な作業だ。フィンランド企業にとっては残念なことだが、これは一歩踏み込みすぎた。フィンランド企業は、関連する消費者がルイ・ヴィトンの商標と混同することなく、出願された商標を見慣れていることを示す証拠を提出できなかったのである。EUIPOは、混同が生じるおそれがあると結論づけ、フィンランド企業の「LV」商標は登録を拒絶された。

本文は こちら (Louis Vuitton’s ‘L.V’: abbreviations can be trademarks too)