2025-01-08

EU:マルボロの象徴的デザインは唯一無二? - Knijff Trademark Attorneys

以前の記事(マルボロのそっくりさん)で、マルボロを製造するフィリップモリスが「Gold Mikaello」の欧州商標登録に異議を申立てたことを取り上げた。

 

登録出願した商標「Gold Mikaello」は、マルボロの象徴的なデザイン要素に似たデザインを採用したことで注目を浴びている。
EUIPO(欧州連合知的財産庁)異議部に課された重要な問題は、消費者が「Gold Mikaello」のパッケージからマルボロを連想するかどうか、また、そのような連想がマルボロの確立されたブランドの識別性を害する可能性があるかどうかであった。

フィリップモリスは、争点となっている「Gold Mikaello」のデザインは、フィリップモリスのよく知られたRooftop要素(パッケージ上部)に外観的に似させており、したがってマルボロ・ブランドの評判と識別力から不当に利益を得ていると主張した。さらにフィリップモリスは、この類似性はマルボロ・ブランドの識別力を損なうものだと主張した。   

以前からあるブランドが有名であればあるほど、また、それぞれのブランドで提供される商品の類似性が高ければ高いほど、類似する商標が確立されたブランドの名声から不当に利益を得るものだ。異議部は、両商標の外観的類似性はあまり顕著とはいえないが、タバコ市場における「マルボロ」商標の広範かつ長年の認知度の高さが勝っていると考えた。

異議部は、「Gold Mikaello」はタバコ業界におけるマルボロ・ブランドの確立された評判を利用することで不当な利益を得る可能性が高いと結論づけた。「パッケージ上部」の要素はマルボロのパッケージに独特なものであり、様々な配色やスタイルで一貫して使用されてきた。この特徴により、消費者は「パッケージ上部」の要素からマルボロのみを連想する。従って、「Gold Mikaello」がこのデザイン要素を使用することは、同様の努力を自ら行うことなく、マルボロのマーケティング及びプロモーション投資を利用するものだといえるだろう。 

結論として、「Gold Mikaello」はマルボロの識別力と名声から不当な利益を得る可能性が高いとして、異議部はフィリップモリスの異議申立てを認めた。「パッケージ上部」のデザインは依然としてマルボロのものである。

「Gold Mikaello」は新しいロゴのために設計に戻る必要がある。次回はもっと独創的なデザインを考え出し、タバコ市場で道を切り開くことができるのだろうか?

本文は こちら (Marlboro’s iconic design: one of a kind?)