2025-02-05

商標の希釈化に注意、ブランドを一般名称にしないために! - Novagraaf

消費者がブランド名を一般名称として使い始めたら、それは褒め言葉だと思うかもしれないが、法的観点からは、このように商標が希釈化されるとブランド名が持つ権利を損なう可能性がある。

登録商標の一般名称への希釈化は、標準的な業界用語が存在しない新製品やサービス、あるいはマーケット・リーダーが出現した新製品やサービスで起こることがほとんどだ。そのため、多くのマーケティング担当者は、自社のブランド名が動詞として使われることを歓迎するかもしれない。しかし、商標コンサルタントの立場からすると、商標の一般名称化、つまり希釈化は、まったく魅力的なことではない。

グーグル検索エンジンの出現は、商標が一般名称化された有名な一例に過ぎない。最近では、私たちは「ネットを検索する」とは言うかわりに「ググる」と言う。他の例としては、アスピリン(aspirin)、セロファン(cellophane)、エスカレーター(escalator)、リノリウム(linoleum)、サーモス(thermos)、トランポリン(trampoline)、ビデオテープ(videotape)などがある。

商標の希釈化を防ぐには
 自社ブランドが特徴的な機能を失い、商品やサービスの総称になってしまうのを防ぐにはどうしたらよいだろう。

商標を登録する
 ブランド名を作成した後は、そのブランド名を使用する商品やサービスについて商標登録を行い、ブランド名の保護を開始する必要がある。こうすることで、商標に対する独占的な権利を取得し、権利を行使するために商標登録を行った国・地域・機関の商標制度がある。

リスクを理解する
 法域によっては、商標権者は商標が一般名称にならないようにする義務がある。例えば、ベネルクス知的財産条約(BCIP)第2.27条(1)(a)は次のように規定している;
「商標が登録された日以降、の行為または不作為の結果、登録された商品またはサービスに関して、取引において一般的な名称となった場合、商標は取り消されることがある」

 言い換えれば、その商標が一般名称化された場合、商標の希釈化を理由に権利が取り消される可能性があるということだ。ブランド所有者や商標コンサルタントは、自分たちの権利にそのようなことが起こることを望んでいないだろう。

「正しい」方法で商標を使用する
 商標の希釈化を理由に商標が争われるのを防ぐには、まず、商標権者として、商標を「正しい」方法で、すなわち、自社の商品またはサービスを他者の商品またはサービスと区別するための標識として確実に使用する必要がある。

 商標コンサルタントなら誰でも言うことだが、商品・サービスの総称を常にブランド名の横に記載することが極めて重要だ。例えば、誰もが「google」を一般名称として使い始めたとき、「検索エンジンGOOGLE」であることを一貫して記載することで、一般名称化を防ぐのに役立つだろう。

商標の独占権を行使する
 あらゆる努力にもかかわらず、消費者が商標を商品やサービスの総称として使用する傾向がある場合、対策を講じることが重要だ。

 商標の希釈化に対して定期的に対策を講じることで、商標の使用状況を積極的に管理していることを示すことができ、これによりブランド名が一般名称化したとして、商標権が取り消されるのを防ぐことができる。

商標の希釈化に関する要点
以下の有用なステップにより、ブランドの独占性が失われ、ブランドを使用する商品またはサービスの代名詞になるのを防ぐことができる;
* 商標を使用する商品やサービスについて、また商標を使用する国・地域・機関で商標を登録する
* ブランドを一貫して商標として使用し、商標が意図する製品やサービスの名称を別途記載する
* 商標の希釈化や侵害に対して定期的に行動を起こし商標の権利を行使する

本文は こちら (Trademark dilution: Don’t allow your brand to become a verb or generic term!)