商標が登録を認められるためには、一定の要件を満たさなければならない。
その要件の一つは、商標が公序良俗に反してはならないというものだ。人種差別的、攻撃的、またはその他の理由で受け入れられない商標は登録を拒絶される。
これは広く認められた要件だが、しばしば文化の違いによって解釈が異なることがある。例えば、「FUCK」という商標はベネルクスでは認められているが、欧州連合知的財産庁(EUIPO)では認められない。同様に、EUIPOは「MAFFIA」という語を含む商標を認めておらず、ベネルクス商標知的財産庁はナイトクラブの「WHITE ONLY」という商標に介入した。この商標は白い服を着た人のためのクラブを意味することが判明したが、この名称は別の、物議を醸すような解釈もできる。
現在もこのような根拠によって商標の登録が拒絶につながることは、最近欧州で拒絶された娯楽サービスに関する「HOUSE OF CUNT」商標が示している。EUIPOによると、「HOUSE OF CUNT」は「ろくでなしの家」と訳され、「CUNT」という言葉は非常に下品で不快なものだと考えられている。このような拒絶理由の難点は主観性にある。ある人が不快に思うことでも、別の人にとっては一笑に付すようなものかもしれない。
EUIPOでさえ一貫した基準がないようで、最近「ARSCHMALLOWS」という商標が登録された。すべての「攻撃的」商標が同じではないようだ!
※(訳者注)「ARSCHMALLOWS」はドイツで人気のパーティゲーム「マシュマロ尻ゲーム」、ARSCHがドイツ語で「お尻」という意味でスラング的には「嫌な奴」や「ダメなもの」を指す場合もある。英語の「ass」に近いニュアンス)