2025-03-05

EU:香水売り場のカオス(大混乱) - Knijff Trademark Attorneys

香水は香りとブランド以外に、香水瓶自体が芸術作品であることも多い。
香水の容器は、瓶の形状でブランドがわかるほど特徴的であることが多い。自社のデザインを商標登録する賢い人は、同じような形状の瓶が市場に出回ると法的措置を取ることができると考えるだろう。

香水会社のカオス(CHAOS)は最近、新たな香水「Destructible Love Eau de Dark」の立体形状(写真下右)の商標登録を欧州連合(EU)に申請した。カオスは2023年3月に設立された比較的新しいルーマニアの香水ブランドだ。発売からまだ日が浅いため、カオス・ブランドの認知度と市場での存在感を高めている最中である。しかし、そのデザインは誰もが知っている香水瓶、シャネルNo.5に似ていることから、カオスの商標出願が注目を集めることは間違いない。

 

象徴的なシャネルNo.5は、世界で最も有名な香水の一つであり、1921年にフランスのファッションデザイナー、ココシャネルによって作られた。シャネルNo.5の瓶のデザインは、香水そのものと同じくらい有名である。シャネルのミニマリズムでエレガントなスタイルを反映した、シンプルなすっきりとした長方形の形状をしている。上部には、ヴァンドーム広場からインスピレーションを得た多角形のキャップが付いている。この形状は1989年からフランスで商標登録されている。

この容器との類似性から、シャネルはカオスの商標登録に対して異議申立てを行い、2つの根拠を示した。第一に、カオスの商標が混同を生じさせるおそれがあること。第二に、カオスの商標はシャネルの瓶の名声を不当に利用し、シャネル・ブランドの識別力や評判を損なう可能性があること。

EUIPO(欧州連合知的財産庁)がこの異議申立てをどのように扱うのか、興味深いところだ。デザインにカオスの名前があるなどの違いがあるものの、シャネル No. 5 の形状はそれほど象徴的であり、類似性が優先されるのだろうか?我々はシャネル有利と見ているが、異議申立て手続きは始まったばかりなので、EUIPOがどう判断するか時間が経たなければわからない。結果は乞うご期待!

本文は こちら (Chaos in the perfumery)