2025-04-15

英国:成功するリブランディング戦略(初級編) - Novagraaf

ブランドが「リフレッシュ」や「再構築」に伴ってリブランディングされることは珍しいことではない。しかし、どのようなリブランディング戦略においても、使用予定の新しい商標について調査して登録する必要性を考慮すべきだと、Megan Taylorが解説する。

具体的なリブランドやロゴのデザイン変更には、市場のトレンド、政治的影響、所有者の変更を意味するものなど、いくつかの要因が影響する。リブランディングを計画する場合、リブランディング戦略を立てる際に考慮すべき重要な問題と、参考になる例をいくつか紹介したい。

なぜリブランディングするのか?
メッセージの変更
英国のファッションブランド、PrettyLittleThing(PLT)のリブランド前の旧ブランドは、ターゲット市場に伝えたいメッセージを反映させるために選ばれたものだろうが、時間の経過とともにターゲット市場のニーズが変化することがある。リブランドは、市場との関連性を保ち、市場シェアを維持するのに役立つ。

PLTの最近のリブランドは、大規模なブランド刷新の顕著な例を示している。ピンクのユニコーンと大胆でシンプルなテキストで構成されたこのPLTの以前のブランド(写真右)は、最近変更された中間色を基調としたカリグラフィースタイルのロゴ(写真下)とは、ブランドの印象が大きく異なるものだ。

PLTの新ブランド(リブランディング後)
このリブランディングは、ブランドが市場との関連性を維持するためにどのように進化するかを示す優れた例である。PLTは現在、「次の時代」の一部として「高められたファッションの必需品」の提供者としてマーケティングを行っており、「ファストファッション」をシームレスに過去のものにしようとしており、このメッセージを確実に消費者に届けるために新ブランドを使用している。

 

新しいロゴマークが英国知的財産庁(UKIPO)に出願されているかどうかはまだわからないが、PLTは「PRETTYLITTLETHING」という商標を登録しており、広い意味での保護を受けていることがわかる。

以前のブランディングへの回帰
リブランディングの際、ブランドを全く新しいものに変える必要がない場合もある。例えば、古いロゴやその一部を再利用するなど、ブランドが以前のブランディング(レガシー・ブランディングとも呼ばれる)に回帰することはよくある。これは、ペプシコ(PepsiCo)が2023年に125歳の誕生日を祝う際に採用したリブランディング戦略である。

 

ペプシコは、新しいロゴを「タイムリーで時代を超越したもの」と説明し、新しい標章はブランドの「豊かな伝統」を投影すると同時に、新しいフォントと大胆な色を使用することで、時代に対応し、現代的であり続ける能力を反映していると説明している。

ペプシコは、すでに「PEPSI」の文字とモノクロの円形図形(文字なし)をUKIPOで商標登録しており、これらの特定要素に対して一般的かつ広範な保護を受けている。

しかし、ペプシコは新ブランドを導入する際、上図の新ロゴだけでなく、以下の要素も登録したことが分かっている;
* 背景のないロゴ
* モノクロのロゴ(缶の輪郭と組み合わせたものとカップの輪郭と組み合わせたもの)
* スタイライズされた文字(これまで使用されていなかった新しい書体を保護するためと考えられる)
これらの新しい要素を商標登録することで、ペプシコは今後、明確で水も漏らさぬ保護を得ることができる。

合併、買収、売却の一環として
また、全面的なリブランディングが予定されているのが、長年にわたって大通りに店舗を構え文房具と書籍を販売する英国のW・H・スミス(WHSmith)だ。

最近Modella Capitalに売却された事業の一環として、店舗はすべて「TGJones」にリブランドされることが発表された。このリブランディングがどのようなものになるのか、詳細はこれから発表される予定だが、これは、事業の(完全または部分的な)売却に伴い、事業の所有者が変わったことを示すためのリブランディング戦略の良い例である。

法的考察
登録商標への影響は?
リブランディングの出発点として、既存の権利を見直すのがよい。広範な保護を享受する既存の登録商標があれば、新しい商標も保護を受けられるかもしれない。
あるいは、新しい商標に対して十分な(または全く)保護がない場合は、再出願を検討するタイミングかもしれない。
再出願の前に、商標調査を行い、新ブランドが第三者の権利を侵害していないことを確認することが適切だろう。
商標弁護士は、既存の保護が適用されるかどうか、また再出願の必要があるかどうかについて助言することができる。

商取引上の義務に関する考慮
新しいブランドの保護を求める場合、商取引上の義務や契約に及ぼす影響を考慮することが重要だ。例えば、ブランドのライセンスを取得している場合、ライセンス契約を更新する必要があるかもしれない。リブランドは、第三者との和解や共存契約にも影響を与える可能性がある。

未登録の権利への影響は?
英国では、標章は使用により未登録の権利が発生するため、場合によってはブランド所有者が新しいバージョンの標章を保護しないことを選択することもある。しかし、登録された権利は、一般的に未登録の権利よりも行使が容易であり、費用対効果も高い。

意匠権については?
伝統的な商標ルートに加えて、標識を意匠として登録することができる場合もある。商標が一般に公開されているかどうかなど、意匠登録の可否を左右する具体的な要素があるので、まずは弁護士にアドバイスを求めるのがよいだろう。

本文は こちら (Rebrand 101: How to create a successful rebranding strategy)