2025-04-02

EU:「GAME OF THRONES」の評判を不当に利用したとされた「GAME OF DONER」 - Knijff Trademark Attorneys

ファンタジードラマ「ゲーム・オブ・スローンズ(GAME OF THRONES)」シリーズは2011年に始まり、8シーズンで世界的に知られるフランチャイズとなった。
2019年に放送された最終シーズンは、「2019年に最も需要の高いテレビ番組の初回放送(Most in-demand TV premiere of the year)」としてギネス世界記録に認定された。

よく知られている?間違いない。一方でドイツの出願人は、ファストフード・サービスを指定して「GAME OF DONER」商標をEUIPO(欧州連合知的財産庁)に出願した。このテレビ番組の評判を利用しようと考えたのだろう。しかし、米国の有料ケーブルテレビ放送局HBOは、自社の商標「GAME OF THRONES」を根拠に異議を申立てた。EU域内で「GAME OF THRONES」の評判を立証するのは、HBOにかかっていた。当然のことながら、HBOは、159回のエミー賞ノミネート、59回のエミー賞受賞、世界中で100以上のライセンシーを持つHBO史上最もライセンス数を誇るフランチャイズのタイトルであるなど、効果的な証拠の数々を提出し、異議申立てを難なく成功させた。EUIPOの異議部は、「GAME OF THRONES」がEU域内でテレビやエンターテインメントで広く知られていることと認定することに何の問題も感じなかった。

 

異議部は両商標を比較した。外観的に両商標は「GAME OF」という特徴的なフレーズを共有しており、(DONERの)「D」と(THRONESの)「T」の文字の上の部分が両方とも横に伸びていることを含む、類似するタイポグラフィー様式を採用している。さらに、「GAME OF DONER」には盾の中にドラゴンが描かれているが、これはファストフード・サービスとの明確な関連性はないものの、ドラゴンがテーマの中心的要素である「GAME OF THRONES」との強い関連性を想起させる要素といえる。

称呼上も両商標の「GAME OF」は同一であり、両商標の3語目には2つの音節と同一の母音が含まれている。これらの類似性から、異議部は両商標が少なくとも低度の類似性を有すると結論づけた。 

著名な商標と明確な類似性を持つ標識だが、「GAME OF DONER」と「GAME OF THRONES」との関連性はどの程度のものなのだろうか。「GAME OF THRONES」は紛れもなく高い名声を得ており、「GAME OF THRONES」商標は食品・飲料を含む様々な分野をカバーしている。それに加えて、「GAME OF DONER」商標にドラゴンが存在することで、「GAME OF THRONES」との観念的なつながりがさらに強まっている。これらの要素を考慮して、異議部は関連する公衆が両商標間の関連性を認める可能性が高いと結論づけた。

「GAME OF DONER」と「GAME OF THRONES」との明らかな関連性により、マーケティング投資をすることなく、「GAME OF DONER」が消費者に選択される可能性が高い。言い換えれば、「GAME OF DONER」は「GAME OF THRONES」の評判を不当に利用している。このゲームの勝者が誰かは明白であり、「GAME OF THRONES」が最強であることが証明され、「GAME OF DONER」はすべての商品で登録を拒絶された。

 

本文は こちら (Game over for GAME OF DONER: GAME OF THRONES wins)