サウジアラビアにおける商業登記（Commercial Registration）と商号（Trade Names）登録を規定する法律の改正が、2025年4月に施行された。この改正は、サウジアラビアで事業の登録を行おうとする法人に適用され、規制するものだが、世界中の商標権者にとっても好影響をもたらすと期待されている。
商号と商標の違いに注意することが重要だ。商号は、企業が登記され識別される名称であり、商標は、特定のブランド、製品、またはサービスの商業的出所を示す標識や名称などだ。
商標登録が、国内で同一または類似する商標の使用や登録を第三者に対して防ぐ手段として利用できることは、広く認知されているが、今回の法改正には、商標権者の同意なしに、登録商標と同一または類似と見なされる商号の登録も防止する条項が含まれている。また、国際的に知られた商標については、たとえサウジアラビアで商標登録されていなくても、商号としての登録が拒絶されることもある。
さらに、改正法では、サウジアラビアで商号登録を一元的に行うための制度が導入され、これにより国内各地の支店ごとに商号登録を行う必要がなくなる。また、すべての商号を収録した電子データベースが整備される見込みだ。これにより、新たな商標の採用を検討するブランドオーナーが、既存の登録企業名との抵触を避けるための調査（クリアランス調査）が簡素化される可能性がある。
これらの新たな規定の導入により、サウジアラビアにおける現在の商標保護の状況を見直し、自社ブランドが第三者による商標および商号の登録から十分に保護されているかを確認することが有益となるだろう。
本文は こちら （Saudi Arabia updates trade name laws to protect trade marks）