2025-05-14

EU:商標紛争における戦術としての不使用取消請求 - Knijff Trademark Attorneys

バイアグラ(VIAGRA)ほどの知名度を誇るブランド名は世界でもまれだ。
この小さな青い錠剤は、勃起不全治療の世界的代名詞となっている。このブランドは、世界中でよく知られていると言ってよいだろう。

法的手続きではよくあることだが、請求人が商標の評判を立証しなければならないことがある。これにはある程度の準備が必要だ、なぜなら、評判の立証には確実で説得力のある証拠が求められるからだ。そして、すべての商標権者がそれを正しく行うことができるわけではない。評判の立証が困難な場合、商標権者は悔しい思いをすることになるが、控訴や別の法的戦略という選択肢もある。つまり、立証に失敗したからといって、必ずしもゲームオーバーになるとは限らないのだ。

原告自身の商標が攻撃の対象となる場合は状況をより厄介にする。たとえば、被告が不使用を理由として取消請求するようなケースだが、これは商標紛争においてよく見られる戦術であり、被告が「請求の根拠となっている商標は、しばらく使われていないため無効である」と主張して、その有効性に異議を唱えることだ。

被告にとって、これは明らかに有利である。裁判所や商標庁は、取消請求の結果を待つために、しばしば本件の審理を一時停止する。商標が取り消されれば、原告は権利を失い、訴訟の流れが一変するからだ。

訴訟を遅らせるための戦術なのだが、被告からすれば、書類を提出し手数料を支払えば、あとは商標権者に責任が移るという比較的単純な動きだ。商標権者は4ヶ月以内に説得力のある使用証拠を提出しなければならない。これを怠ると、深刻な結果を招きかねない。

さて、話をバイアグラに戻そう。商標権者である米ヴィアトリス社は、ハンガリーの企業に対する訴訟に関与していた。これに対し、ハンガリーの企業は「VIAGRA」商標に対して不使用取消を請求した。そのため、バイアグラのような世界的に有名なブランドであっても、ヴィアトリス社は使用証拠を提出しなければならなかった。

ヴィアトリス社は、取消請求を「言語道断」とし、並行訴訟においてすでにバイアグラの評判に関する相当な証拠を提出していると主張した。ヴィアトリス社によれば、取消請求の唯一の目的は、追加費用と法的作業の負担を強いることであった。

EUIPO(欧州連合知的財産庁)はこれに同意しなかった。取消請求は商標登録簿に未使用の商標を残さないことで公共の利益に資するものである。とはいえ、ヴィアトリス社は「VIAGRA」商標の使用を十分に証明していたため、最終的に取消請求は認められなかった。

取消請求は商標権に挑戦するための強力な手段ではあるが、ヴィアトリス社の不満は理解できる。現在、取消請求を起こすための敷居は非常に低い。請求の正当な理由や説明をする必要はないからだ。すべての負担は商標権者の肩にのしかかってくる。商標権者は厳しい期限内にいきなり証拠を集めなければならない。

我々は、必ずしも手数料の値上げを提唱しているわけではないが、取消理由や疑いを説明する短い陳述書を提出する要件を導入することは、より公平なアプローチになる可能性がある。確かに、最初の実質的な査定は必要になるが、制度の悪用を防ぐ一助にはなるだろう。

本文は こちら (VIAGRA – still going strong)