アップルはiPhone、iPad、MacBookでよく知られている。
またアップルは、3Dカメラ内蔵で知られる先進的なVRヘッドセット「Vision Pro」にも多額の投資を行っている。アップルの登録商標は以下の通り;

そのため、似たようなサービスの似たような商標が市場に参入してくると、アップルはイライラさせられるのだろう。潜在的侵害者から頻繁に権利を守らなければならないからだ。今回のケースも例外ではない。スペインの出願人が「VISION PRO」という商標をEUIPO(欧州連合知的財産庁)に登録出願した。しかし、この出願商標はアップルの商品ではなく、以下のサービスを対象としていた;
ビジネスサポート、マネジメントおよび管理サービス
プロモーション、マーケティングおよび広告サービス
アップルは混同の虞を理由に異議申立を行った:文字は同一であり、アップルのロゴのみが異なっている。幸いなことに、「Apple Vision Pro」は広範の商品・サービスを指定して商標を登録しており、スペインの出願人の出願商標の指定するサービスに類似するサービスも含まれていた。さらに、アップルは商標の高い評判を主張した。
EUIPOは、両商標は外観的、称呼的、観念的に類似しているとし、アップルを支持した。アップルの図形商標にアップルのロゴを加えても影響は限定的として、両商標は外観、称呼ともに中程度以上に類似していると判断された。EUIPOによれば、両商標の全体的な類似性は混同の虞を生じさせるのに十分であり、特に両者が提供するサービスが重複していることに照らしても十分であるという。
今回のケースは、商標名だけでなく、商標登録の対象となる具体的な商品やサービスについても慎重に検討することの重要性を浮き彫りにしている。結局のところ、商品・サービスの選択が商標の保護範囲を決定するのである。よく練られた商標戦略によって、すべてが変わるかもしれない。
本文は こちら (The power of a broad trademark registration: Apple’s battle over Vision Pro)