マルセイユ司法裁判所（Judicial Court of Marseille）は最近の判決で、フランスの高級ブランド「エルメス」の「ケリー」バッグ9点の模倣品を販売したとして、サントロペの小売業者2社に10万ユーロ（約1,600万円）の損害賠償を命じた。
この訴訟は2023年に提起されたもので、対象となったバッグは、サントロペのブティック「La Tunique」と「Charm and Chic」で販売されていた。エルメスは、販売されていたバッグがすべて、ケリーバッグの特徴的な要素─台形のフォルムや独特な錠前金具など─を備えていると主張し、裁判所も認めた。
裁判所は、ケリーバッグのデザインに関するエルメスの著作権を認めるとともに、特徴的な留め具や錠前金具の図形商標をエルメスが登録していることも認定した。問題となったバッグには「エルメス」の名称やロゴは一切表示されていなかったが、侵害が成立すると判断した。
この判決は、模倣品に対する代償の大きさを端的に示すもので、侵害が認定されたバッグはわずか9点であったが、被告の小売業者には6桁（ユーロ）の損害賠償責任が課された。フランスの裁判所がこの種の問題を軽視していないことは明らかだ。
本文は こちら （Nine fake Hermès bags cost counterfeiters €100K in damages）