2025-07-03

中国:「エイリアン電解水」商標権侵害等で裁判所が500万元の賠償命令 - Linda Liu Group

このほど、「エイリアン」が「エイリアンに出会う」を訴えた事件が広東省で最終判決を迎えた。裁判所は、広州唯某公司と江蘇唯某公司などが飲料水「エイリアンに出会う」を製造・販売した行為が商標権侵害及び不正競争行為に該当すると判断し、元某公司に500万元の賠償を支払うよう命じた。

2020年10月、元某公司は「エイリアン電解水」シリーズ製品を発売し、その後商標登録と意匠登録を完了させた。
広告に有名人起用や番組冠提供などを通じて継続的に宣伝を行い、製品の売上は右肩上がりに伸び、市場を迅速に開拓した。
2023年、元某公司は数社が「エイリアンに出会う電解水」を製造し、WeChatモーメンツや業界の展示会などを通じて販売していることを発見したため、同年7月に、5軒の会社に対して、広州知的財産権裁判所に共同訴訟を提起した。

一審裁判所は、「エイリアンに出会う」という標識が登録商標「エイリアン」と文字の称呼、要素構成、全体的な外観において類似していると認定した。被告5社は元某公司と同じ業界の競争者として、「エイリアン」ブランドの知名度と影響力を認識しているはずであるものの、依然として被疑侵害標識を同種類の商品に使用し、さらに警告書を受けた後も侵害行為を継続していたことから、主観的には元某公司の商業的名誉に便乗する意図があり、客観的には公衆の混同を生じさせやすいため、登録商標「エイリアン」の専用権侵害に該当するとした。

被告5社は一審判決を不服として広東省高等裁判所に上訴した。
また、裁判所は、両者の包装の全体的なデザイン、文字、色彩、図案などの要素が高度に類似しており、一部の要素の細部や文字内容などにわずかな差異があるだけで、全体的な視覚効果が極めて類似しているため、混同や誤認を生じやすいと指摘した。そのため、被告が許可なく類似の包装・装飾を使用した行為は不正競争行為に該当すると判断した。
一審において、裁判所は被告5社に対して、直ちに侵害行為の停止、侵害製品の在庫品の廃棄を命じるとともに、法定の最高賠償額を適用し、元某公司に経済的損失500万元及び権利維持するための合理的費用4万元の賠償を命じた。

二審裁判所は審理を経て、上訴を棄却し、原判決を維持する判決を言い渡した。
(2025年5月15日 広州知的財産権裁判所)