英国知的財産庁(UKIPO)は、ペットオーナーにECサイトで見つかった危険なノミ駆除剤の偽物に注意するよう呼びかけている。
警告内容は以下の通り;
* 有毒な物質がノミ駆除剤の偽物から検出されたことを受け、英国政府が緊急警告を発出した。猫が偽物のノミ駆除剤で重度の中毒症状を引き起こし緊急手術が必要になった。
* 偽物の動物用医薬品には必要な成分が含まれておらず、嘔吐やけいれん、さらには死に至る可能性のある危険な化学物質が含まれている。
* 偽物のノミ駆除剤は、包装の不良、誤字・脱字、異常な臭い、不自然に安い価格などの特徴があると警告されている。
* 3人に2人の消費者は偽造品が本物と同等の品質だと誤って信じているとの情報もある。
* ペットオーナーは信頼できる販売元から製品を購入し、疑わしい製品を見つけたらすぐに報告してほしい。
UKIPOと獣医学研究局(Veterinary Medicines Directorate:VMD)は、ノミ駆除剤を含む一般医薬品の購入時に注意するよう促している。
今回の警告は、ノミ駆除剤の偽物から有毒な農薬の痕跡が検出され、ペットの猫が重症化した事件を受けて発出されたもので、猫の飼い主が製品の検査を依頼し、有害な有機リン系の殺虫剤であるピリミホスメチルが含まれていることが確認された。
UKIPOは、ペットオーナーに対し、偽造製品の特長を認識し、疑わしい製品の使用を避け、懸念があれば報告方法を確認するよう促している。
動物用の偽造医薬品は、本物の動物用医薬品に見た目、パッケージ、ブランドを故意に模倣し、ペットオーナーを欺く目的で製造されている。すべての偽造品同様、英国での販売は違法だ。ペットオーナーは、割引品やオンラインでの購入を求めた結果、知らずにこれらの危険な偽造品を購入してしまう可能性がある。
昨年だけで、VMDは無許可の動物用医薬品やサプリメントの販売に対して122件の押収通告を出し、約18,000点の違法品が消費者の手に渡るのを防いだ。
プレストン在住のアラン・ウォール氏は、オンラインで本物と思えたノミ駆除剤のFRONTLINE ®を購入し、猫のスモーキーに与えた。スモーキーは重篤な状態になり、緊急手術が必要となった。その後、動物病院での1週間の入院と、回復のための多額の費用が発生した。